思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『オールユーニードイズキル』☆☆☆★

原作を読んでいないのが手落ちだが、小畑健のコミック版と比べてみる。
このてのデスゲーム、タイムスリップものでは、似て非なる展開が繰り返されるのを、どう視聴者に飽きさせずに演出するかがポイントになる。本作は、その辺は及第点。
本作最大の燃えるところは、主人公がミス(すなわち死)を繰り返しながら、パターンを把握して戦場を先へ先へと進んで行くところ(まさしく達人がゲームをやり込む行為そのもの)。最上級の表現だったマンガ版と比べると、「無双」感が弱い。
ここでは、「死」に際しての痛み、恐怖、絶望感を強調するべきだった。ここが弱いので、繰り返される「死」という設定がイマイチ活かせていない。
エイリアン「ギタイ」のデザインと動き、パワードスーツなどは『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズというより、ラストバトル周辺の展開といい『マトリックス・レボリューションズ』に非常に似たものがある。
欧米人にとってはどう感じるか知らないが、少なくとも黒人と白人のハーフみたいなヒロインにもうひとつ魅力がなかったのも残念。『エイリアン』『ターミネーター2』のシガニー・ウェーバーのような人が良かったのでは?(まあ設定上、繰り返し体質になれば誰でもレベルアップするので、コミック版のような少女というのもアリではある)
逆に、『オブリビオン』と比較すると、ちゃんと「軍人」将校っぽく見えるトム・クルーズは割と頑張ってた。

そういえばタイトル出てきたのを見た記憶がないが……?(テレビ録画で見たのだが)


『GameGene(1)』
☆☆☆★

編集後記に詳しいが、実質的に、休刊した『shootinggameside』のリニューアル誌。『gameside』から派生した雑誌が、一周回って総合ゲーム誌に戻った感じ。
そんなこんなで、特集は『レイストーム』からの3部作。
個人的には、『レイフォース』をちょっとやったくらいで、世界観について突っ込まれてもピンとこない。
ロックオンレーザーの革新性とか技術論について解説して欲しかったなあ……。
また、総合ゲーム誌ならではで、『ブライ』や『サイレントメビウス』のリバイバルに触れているのが良かった。しかし、『ブライ』が再販できるなら、『ラストハルマゲドン』もやってくれないかなあ……。