思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『刑事コロンボ 別れのワイン』 ☆☆☆★ 確かに、いつものコロンボのような、「あんたを絶対に逮捕してやる」という気迫はない。 あくまでも紳士的に、最初は全く知らなかったワインの知識を猛勉強してまで、犯人に自白を迫る、というのが本作の特徴。 ただし、…

『裏社会の歩き方』 ☆☆☆★ 『ラヂオの時間』 ☆☆☆★ 確かに、生放送ドラマを前に、あるいは放送中に様々なトラブルが起こり、それをなんとか乗り切っていく、という骨格は『カメラを止めるな!』と同じ。現実と理想のせめぎ合いもそう。 違いといえば、本作には…

『カメラを止めるな!』BR

コメンタリーはメインキャスト全員16人によるもの。このあたりは本編が、特定の主役に片寄らず、見事な塩梅・配分で群像劇になっていることと並んで、無名俳優による良さ。コメンタリーそのものは、途中で監督が「小声で私語しない」と注意するくらい、とっ…

『世界のエリートがやっている最高の休息法』久賀谷亮 ☆☆☆★ ダイヤモンド社タイトルは出版社がつけたんだろうなぁ……( ´Д`) 内容を一言で言えば「落ち着いて自分を見つめれば心身ともにリラックスできて、全て上手く行く」というもの。堅苦しく言えば、仏教…

小林奨『「ドラえもん」に学ぶ ダメな人の伸ばし方 5つのタイプ別に見る「人を育てる」テクニック』を読む 印象に残ったところ「ギリギリにならないと取り掛からない人を「単に、ぐうたらした怠け者」と見るのか、「真面目に仕事はするが、見通しを立てるこ…

『死亡フラグが立ちました! カレーde人類滅亡!? 殺人事件』七尾与史 ☆☆☆★ 宝島社文庫まず、副題にはほとんど意味がない。カレーと、前作に続いて「死神」のトラップを予想しつつ逃げるシチュエーションは出てくるが、ハッキリ言ってなくても本作のメインプ…

『メッセージ』 ☆☆★原作である『あなたの人生の物語』は既読だが、これはもう原案で、映画オリジナルと言って過言ではないのでは? 原題は『ARRIVAL』。 紐文字から発想したのではないかと思われる、円形のファインアートみたいな文字が面白いが、はっきり言…

『刑事コロンボ 二枚のドガの絵』 ☆☆☆☆これは金曜ロードショーで観た記憶があまりない。 共犯者を殺す、裏切る、というのはコロンボシリーズのお約束。最後まで固い絆で結ばれた犯人、っていうのはいないかな?? まあ、非道な犯人が騙される快感こそ、魅力…

『かわいい毒草』 ☆☆☆★刑務所から出てきた前科者で、保護観察中の主人公(日本でもアメリカでもほぼ同じ制度だと考えていいのかな?)。工場で働くものの、廃液によって川が汚染されるのを気に病んで、煙突に破壊工作を行うことになる。 このあたりのぶっ飛…

『現代ホームレス事情』西本裕隆 ☆☆☆ 鹿砦社「ダンボールの場合だと、リヤカーにいっぱい、約200キロを集めても、リサイクル業者の引き取り価格はだいたい1000円程度。アルミ缶の場合だと(略)200キロ(略)2000円程度しかない」

柘植智幸『「ゆとり世代」が職場に来たら読む本』を読む印象に残ったところ「ゆとり世代を一言でいうと、「悪気なく悪いことをする素直で良い人」です。」「上司の悪いところを挙げ、自分は権利を主張する。ゆとり世代にはこういうスタンスがあります。」「…

『かわいい毒草』 ☆☆☆★町山さん推薦作。

『駄菓子』 60年代から80年代くらいまでの駄菓子が載っている。懐メロ狙いを隠していないカバーが潔い。年代ごとの点数にはバラツキがあり、60年代とかはちょっと。 改めてみると、その時代ならではの特長が伺えて興味深い。 また、解説・トリビアもあって、…

『ボクたちのBL論』サンキュータツオ&春日太一 ☆☆☆★ 河出文庫サンキュータツオが講師やくとなり、BL初心者の春日太一に講義する、というスタイル。男による、男のためのBL入門書である。 BLとは、ひとことで言えば、登場人物の描かれていない関係性…

『ボクたちの駄菓子』 ☆☆☆★

『バーフバリ 王の凱旋』メチャクチャ面白いが、前編のほうが好きだなぁ。特に、主人公が息子バーフバリに移って(というか、前編の前半から、三時間も経ってようやく戻ってきたのだ)からは、盛り上がりに欠ける。いや、並みの映画なら、これでも充分面白い…

『U-571』 ☆☆☆★ ドイツのUボートに偽装した米潜水艦が、実質漂流中のUボートに積まれているエニグマを奪取する任務に就くが、敵の攻撃を受けて自艦は沈没してしまい、やむなく敵船たるUボートを操船する羽目に。 捕虜にした元の乗員が悪さをするとか、どこか…

『バーフバリ 王の凱旋』 ☆☆☆☆ 『ものぐさプラモデル作成指南 艦船模型の作り方』 ☆☆☆★

『カメラを止めるな』 ☆☆☆☆ ケーブルテレビ番組というチープさ前提なので、冒頭37分の1カットでのゾンビ映画が面白い。 基本は、不可能ミッションにみんなで挑む、という古典的なストーリー。生放送という中で、アドリブなど臨機応変に切り抜ける時間の流れ…

山本敏行『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』を読む印象に残ったところ「良さそうな制度だからと自社でも導入してみたものの、結局はコストばかりかさんで効果が見られなかったため、廃止したという話はよく聞きます。社員からの信頼を…

『日本の10大新宗教』島田裕巳 ☆☆☆ 幻冬舎新書擬態した宗教関連の団体・商品に騙されないために……と思って勉強のために読んでみた。 紹介されているのは 天理教 大本 生長の家 天照皇大神宮教と璽宇 立正佼成会と霊友会 創価学会 世界救世教、神慈秀明会と真…

『虚像のアラベスク』 ☆☆☆★『ドンキホーテ・アラベスク』☆☆☆★ 芸術探偵シリーズらしく、バレエの蘊蓄満載。あまり興味がないだけに駆け足で読んでも、ミステリー的には何の問題もなかった。公演途中で起こるアクシデントは、文学的には素晴らしいが、トリッ…

『ロシアン・スナイパー』 ☆☆★ 『狙撃兵ローザ・シャーニャ』で読んだ史実の映画化かと思いきや、アメリカで演説したり、生き延びたりと、ちょこちょこ違う。まあ、史実を元にしたフィクション、というやつか。 戦争映画としては、腕が転がっていたり、リア…

『バーフバリ 伝説誕生』 ☆☆☆☆多角形の十段階評価図を作ると、十点の項目と四点の項目がギザギザになるであろう、怪作・快作。 まず、香港映画を思わせる「ハチャメチャでも、楽しければいい」という理屈や現実味よりも娯楽性を全面に出した演出。人間場馴れ…

『弥勒』篠田節子 ☆☆☆★本作をなんと評すべきか。 ブータンかチベットか、パスキムという架空の国名から、パキスタンを連想するが、言われてみれば、パキスタンについての否応なくイメージがまるでないことに愕然としたり……。 そこを舞台にした冒険小説であり…

『刑事コロンボ パイルDー3の壁』 ☆☆☆★ミステリーとしては定番の「1度疑った点は2度と捜査されない」を逆手に取った犯行……というより、死体の処分が進行中なので、本格ミステリによくある、探偵の推理をミスリードするタイプとはちょっと違う。 むしろ、…

『天竺熱風録(5)』 ☆☆☆☆★『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』に比肩する大軍戦が堪能できる。 これまでの伊藤マンガにはなかった、今時のギャグマンガの表現(ぽわーっとなった顔、ドヤ顔)を取り入れているのが興味深い。 象が曳く戦車と琵琶みたいな…

『忍者武芸帖 百地三太夫』 ☆☆★真田広之と千葉真一主演のJAC映画。普通は時代劇か忍者映画、とするのだろうが、何よりも全面に出ているのはJAC=千葉ちゃん臭なのだ(^_^;) いちおう、母を殺された真田広之が、財宝のありかを記された短刀を狙う敵と戦…