思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

U-571
☆☆☆★
ドイツのUボートに偽装した米潜水艦が、実質漂流中のUボートに積まれているエニグマを奪取する任務に就くが、敵の攻撃を受けて自艦は沈没してしまい、やむなく敵船たるUボートを操船する羽目に。
捕虜にした元の乗員が悪さをするとか、どこかで観たシーンばかり。『メガロドン』とか『ローレライ』とか(変な映画ばっかりだが(^_^;))。
別にこの映画でなくてもやっているのだろうが、あまり潜水艦ものを観ていないので、魚雷の発射する際の重さ(発射された後にちょっとだけ沈むとか、発射管と擦れる音とか)や、戦艦の爆雷射出軌条の形とかは興味深かった。
逆に、潜水艦の内部はセットを少し広く作ってる? はたまた広角レンズで撮影したから広く見える? どちらにしても、現在の潜水艦(呉のてつのくじら館で入った)よりは狭く見せないと。
敵の攻撃は至近弾や被弾しても大したことないのに、主人公たちの魚雷は命中したら一発で爆沈するとかの、御都合主義。
演出として、永遠に続くかと思える爆雷に揺さぶられ、なすすべもないという状況は、自分の身に置き換えると絶望的悲劇だが、客観的にみると、喜劇にしか見えない。

ザ・セル2』
☆☆
知る人ぞ知る佳作『ザ・セル』の続編。なのだが、典型的なスケールダウンした「2」。テレビ映画? というくらい、俳優もストーリーもショボい。
ザ・セル』の方は、サイコダイブ装置を使っていたような気がするが、本作では連続殺人犯に殺されかけたトラウマで超能力を持つようになった警官であるヒロインと、実は同じく超能力者であった犯人との精神世界での超能力合戦での決着(´д`)
前半は、『コレクター』みたいな、犯人が拉致女性を心身ともにいたぶるシーンと捜査側とが交互に描かれる。
何はともあれ、ビジュアルデザイン的に、アクリルで生物を固めた輪切り、というインパクトが前作の映画史的な意義だったのに、本作にはビジュアル的な挑戦をしようとする意思が全くない。二番煎じどころか、ビジュアル的な面白みを入れよう、という意思そのものがないのだ。配給会社が、全く別の映画を、「2」として公開したのかと思うくらい。でも、原題も「the CELL 2」なのだから不思議。


刑事コロンボ 忘れられたスター』
☆☆☆★
トリックそのものは、映画の上映中に殺人を行い、アリバイを確保する、というコロンボシリーズでは見飽きたもの。
それが何故、ファンのベスト2くらいになるのか、といえば、犯人像(設定)の魅力による。
一言で言えば、痴呆症あるいは記憶喪失の人物に責任能力はあるか? という裁判的な問題を扱ったところによる。
当然、それを「あり」だとすれば、被害者をかばう恋人の心情に涙するだろうが、そうでなければ前述したトリック的には何も目新しいことはない。これがアル中で記憶のなくなったおっさんだとしたらどうだろう? 私的には「なし」派なのだ。
コロンボのキャラ的には、10年以上も射撃訓練をサボっていた、というエピソードが楽しかったりするが。