思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『駄菓子』
60年代から80年代くらいまでの駄菓子が載っている。懐メロ狙いを隠していないカバーが潔い。年代ごとの点数にはバラツキがあり、60年代とかはちょっと。
改めてみると、その時代ならではの特長が伺えて興味深い。
また、解説・トリビアもあって、上生菓子に対する駄菓子だとか、駄菓子屋は、持ち家の土間を活用した年寄りの小遣い稼ぎだとか、なるほど勉強になる(勉強になっても、今は総人口の4割が子供であった時代ではないので無理なのだが……)。
ちなみに、現在も売っているという、30年選手も
意外とあるのが凄い。

『逆説の日本史(24)』
☆☆☆★

憲法制定、日清戦争と朝鮮併合前後。
憲法は、教科書的にはドイツ(プロシア)をベースにしたというのは周知だが、実はイギリス流になりかけていた、というのが意外(知らなかった)。
朝鮮併合への過程では、朱子学に上から下まで染まっているからこその問題、というのが『今こそ韓国に誤ろう』を始め、右翼論壇の朝鮮論でも抜けていた、井沢史観かつ納得の喝破。
戦争前後の官民の盛り上りを流行歌から紹介する視点も重要。みなもと太郎がよく紹介している「狂歌」とかもそうだが、庶民の目線が大事。


叙述トリック短編集』似鳥鶏
☆☆☆★
講談社

本書冒頭の挑戦状で、本書の全ての収録作品が叙述トリックであることが宣言されている。そこまで独自性を詠わなくても、折原一とかはそれで頑張ってるねんけどなぁ……。
本書は、叙述トリックではあるが、ハッキリ言ってバカミス臭のほうが強くなっている。
いちばん楽しいのが『あとがき』かな(^_^;)
小文字の作者がバカなことをやる、というネタそのものは、ちょいちょいあるが。

『終わっている臓器』坂井健雄監修
☆☆☆★
徳間書店

こういうのを読めば、キリスト教的な、いかに人間が完璧だとかというのがウソっぱちなのかよくわかる。いかに進化の痕跡が全身至るところにあるのかが再認識させられる。
「人間には不必要と考えられてきた盲腸、虫垂は、実は有益な腸内細菌を育てており、健康の維持に貢献しているのです。」
「哺乳類の動物を「獣」と呼びますが、これは「毛物」に由来する名称です。」
なお、どの部位か分かるように図解も載っているが各項目の最後に載っているので、わかりづらいのが大きな問題。冒頭に載せるべきであろうのに。これで★ぶん減点!