思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

刑事コロンボ パイルDー3の壁』
☆☆☆★

ミステリーとしては定番の「1度疑った点は2度と捜査されない」を逆手に取った犯行……というより、死体の処分が進行中なので、本格ミステリによくある、探偵の推理をミスリードするタイプとはちょっと違う。
むしろ、『コロンボ』お馴染みの、犯行後に一時隠しておいた凶器を捨てようとしたところをコロンボに押さえられるパターン。
工事現場で掘削の許可を取ろうと窓口に並んで、お役所仕事に翻弄されるコロンボ、が本作のみどころ。
普通なら、死体のありそうな場所の捜索なんて、警察到着の翌日までには済む話なのに、それを作中でも尺的にも延々引き延ばして一本にしてしまった。小説なら、お役所仕事の手続きを丹念に紹介するところだが、そのへん欲求不満。