思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『日本の10大新宗教島田裕巳
☆☆☆
幻冬舎新書

擬態した宗教関連の団体・商品に騙されないために……と思って勉強のために読んでみた。
紹介されているのは
天理教
大本
生長の家
天照皇大神宮教と璽宇
立正佼成会霊友会
創価学会
世界救世教神慈秀明会と真光系教団
PL教団
真如苑
GLA

聞いたことないものから、幸福の科学みたいに、あからかに抜けているようなものも。また、海外からの上陸組についてもパスである。

「全国の私立高校のうち、およそ3分の1が宗教団体を母体としている。そのうち6割がキリスト教系の学校である。仏教系はキリスト教系の半分で、新道系はごくわずかである。そして、新宗教系は20校ほどに過ぎない。」



『最後にして最初のアイドル』
☆☆☆★
ハヤカワ文庫SF

時空的に壮大なスケール、こじつけ理論、セカイ系という、まごうことなきバカSF。
三作からなる中編集だが、はっきり言ってどれも同じ。付け足すなら、既存の単語に、独自の意味を持たせる、ということが挙げられる。それが各中編における「アイドル」「ソーシャルゲーム」「声優」である。
問題点も共通。主人公が科学的・化学的知識がありすぎること。地質学的スケールで進化させるにはそれらの知識が不可欠だが、主人公は専門家ではない。まあ、試行錯誤か突然変異的自然淘汰でも良いのだが、そのへんの記述はない。
『最後にして最初のアイドル』☆☆☆★
小林泰三オラフ・ステープルドンのオマージュを書いた、と言われても気がつかないくらいグロい。主人公の進化と、不死性の理屈がないのと、ラストのこじつけには納得できん。

『えぼりゅーしょん・がーるず』☆☆☆★
色々理屈はつけているが、要するにソーシャルゲームという異世界に迷い混んだ主人公、という異世界ものやん。
どこまでも進化していくなど、リアリティの土台が不明な点は『ゴールデン・エイジ』と同じ。


『暗黒声優』☆☆★
暗黒星雲暗黒物質からの連想か。エーテルを媒介にした生態系を有するオリジナルの生命体を本作では「声優」と呼称しているだけ。