思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『カメラを止めるな』
☆☆☆☆
ケーブルテレビ番組というチープさ前提なので、冒頭37分の1カットでのゾンビ映画が面白い。
基本は、不可能ミッションにみんなで挑む、という古典的なストーリー。生放送という中で、アドリブなど臨機応変に切り抜ける時間の流れが絶妙にスリリング。
作中でも触れられているが、まるでテレビ番組での再現ドラマ(『プロジェクトX』的な成功物語)を見ているかのよう。あるいは『アポロ13』か。
時間的に、ドラマと舞台裏、そして発端からとの3分の1ずつという時間配分なので、試行錯誤が少ないのが残念。脚本はどうする?カメラワークは?など、気になるところはいっぱいある。この、まん中部分は3倍くらいのボリュームでも良かったのでは?
メイキングが知りたくなる映画だ。
トラブルを乗り越えて、番組完遂を目指すところは、チーム全員で協力するところなど、学園祭ものなど(そんなにないかな?)と共通する共感しやすい設定である。
また、これは「弱さ」でもあるが、登場人物たちには「これができないと終わり」という背水の陣感がないので、深刻さがない代わりに、ある種の明るさがある。
制作経緯を考えれば、無名の俳優も無問題。監督役は役所広司、ヒーローは松山ケンイチ、ヒロインは重盛さと実、おじさんは蛍雪次郎に脳内変換されてたよ(^_^;)
とにかく彼らの奮闘がいとおしい。