思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『楽譜と旅する男』
☆☆☆
歴史(クラシック)に隠された楽譜あるいは音楽についての(広義の)ミステリー。芦部拓の小説のこと、探偵小説というべきか。『奇譚を売る男』に比べると、本格度はかなり低い。
雰囲気的には深水黎一郎の美術探偵シリーズに近い。

楽譜と旅する男楽譜と旅する男
芦辺 拓

光文社 2017-03-16


スターリングラード 史上最大の市街戦』
☆☆☆☆

ロシア映画観るのは初めてかな?
プロローグとエピローグは、日本の東日本大震災で、在留ロシア人をロシアの救助隊が救うというもの。いやいや、ロシアの救助隊が来日したなんて話は聞いたことないけどなぁ…(しれっとプロパガタンダ?)。
本編の色調は、オリーブドラブとオレンジが目立つ仕上がり。
アクションシーンではスローになったり、ハリウッド映画っぽい演出。
スターリングラードのとあるアパートに頑なに住み続ける女性と、そこに集まった各舞台の生き残りの戦時下の日常を描く。しかし、生まれる前の共同生活を「5人の父親」というには無理がありすぎる。輪姦されてたか、フリーセックスか、娼婦だったか、としか思えないやん(´Д`)ところが、本編は、「5人の中で彼女が心を許した人は誰か?」というミステリー的な構成。とは言え、この展開なら、セックスシーンは必要じゃないかな。主人公たちのライバルとなるドイツ将校の愛人とのセックスシーン(ごく軽いもの)はあるのに。

副題は、同名の古典映画が存在するからだろうけど、史上最大らしさは、序盤の川の戦いくらい。あとは、地味な小競り合いしか描かれない。クライマックスにはドイツ4号戦車が動くが、その使われ方は、自走砲と大差ない。その他にはT34が少し、カク坐した3突が出てくるくらい。おまけに4号戦車は、後部上面やサイドフェンダーあたりの形状が怪しい。ソ連戦車の改造かなぁ…。最後の進撃シーンは迫力あったが。
いろいろあるが、実のところ最後まで見通せたのは、ジュリエット・ビノシュ似のヒロインの魅力によるところが大きいのかもしれない。まあ、錯乱したり恐怖感もあまり抱かず、兵士を嫌うわけでもないのは、聖女的というかいささか非現実的な気もするが…。

スターリングラード  史上最大の市街戦 [SPE BEST] [Blu-ray]スターリングラード 史上最大の市街戦 [SPE BEST] [Blu-ray]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2015-12-25