思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ファイブスター物語(9)』
☆☆☆☆☆

久し振りに再読してみたら、メチャクチャ面白いではないか。
まず、デザイン的に面白い。星団歴以前では、ドラゴンなどの永野流ファンタジー生物が。そしてスタント遊星に属する超帝国のデザインが凄い。十字架型の宇宙船も素晴らしいが、炎の女皇帝のマシンメサイアは、わずか3コマしか登場せず、カラー設定画もないのだが、永野デザインの最高傑作と言っても過言ではない完成度。
スバースの登場する未来ロボットのデザイン、ラストのバスターランチャーを構える牛みたいな重マシンメサイア(?)など、とにかくデザイン的な大放出っぷりがとんでもない。そのほとんどに設定画がないということはアドリブ?永野氏に脂が乗り切った時期の作品だからか?
ファティマと騎士という、作品の根幹にまつわる設定が明かされるのも本作のファンにとっては知的興奮を抑えられないところ。
このへん、前に読んだ時(十年前かそれ以上?)には、気にならなかった。すなわち、この巻がそれほど重要だという記憶がないのだ。このへんは、『FSSデザインズ』などの副読本で、知識の体系的理解が進んだからかも。まさしくガイドブックであり、参考書。この「作品」は漫画(連載そして単行本が出るたびに買う)だけでは、味わい尽くせない、という証左といえるかも。