思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2014-01-01から1年間の記事一覧

伊東明『そのやり方では、もう部下はついてこない! 指導・育成の新ルール33』「「あいつはゆとり世代だ」という思い込みが頭のなかにあると、その部下の好ましくない言動ばかり選び出して、「だからやっぱりゆとり世代はダメなんだ」と判断するようになりま…

『インシテミル』 ☆☆☆★映画は以前観ていて、「ま、ゲーム的設定のミステリーサスペンス。こんなもんかなあ…」という感じだった。 この原作は、犯人とか、基本的には大きな違いはないようだ。ただ、主人公が「監獄」に入れられたかどうかは覚えてない。 最も…

『私に似た人』 追記『殺人症候群』のアップデート版的な側面もあるなあ…。 『私に似た人』 ☆☆☆☆複数の登場人物のエピソードを連鎖短編で繋げるのは『プリズム』以来の作者の得意とするところ。その手法では宮部みゆき『理由』、テロによる社会の変革という…

『FSS DESIGNS 4』 あとがきに説明(言い訳?)が書いてあるが、これまでの3巻に比べて高く、判型も異なるのは、サブタイトルにあるように本書が事実上、永野護の同人誌である「キャラクターズ」の最新刊であるからだ。 その違いは、『FSS DESIGNS 3』まで…

『小説家の作り方』 ☆☆☆☆新米ファンタジーノベル作家のもとに届いた初めてのファンレター。そこには「小説の書き方を教えて下さい」と書いてあった。 そこから美人生徒への個人レッスンが始まるのだが…。 中盤は小説の書き方、作家の創作過程を描いたエンタ…

『英語の早期教育』 ☆☆☆☆「「英語を論じる二種類の人」(略) (1)海外へ出て自分の英語が通じないで愕然とした経験をもつ人 (2)すばらしい英文のペーパーを書いて向こうの先生を驚かせた経験をもつ人。 こうした二種類の日本人がいるわけですが、英語の…

梅田泰宏『今すぐ使える原価の基本とかしこい下げ方』「製造業では売上高に占める販売費および一般管理費の割合は二割弱です。うち一割近くは人件費ですから、一般的な経費は一割弱しかありません。そのうちで、事務用品のコストが占める割合はさらに微々た…

竹内一正『「現場力」がみるみる強くなる本』「衰退期に行うべきは、収支を赤字から脱してゼロにもっていくことだ。赤字を流しながら、いつ完成するかわからない新製品開発にヒト・モノ・カネを投入していては死亡時期を早めるだけ。」「マネージャーはコマ…

『舞目真面とお面の女』 財閥の長をなした祖父の遺言で残された、金属の箱、石の箱、そして「面を解く」とは? 一見普通のミステリーっぽいが、ラノベとしても不自然な、謎のお面をかぶった中学生(?)がひっかかる。 後継者を選ぶため、という真相には違和…

『鉄の骨』 『チェイス』それほど派手ではないが、イントロに代表される良い意味で外したパーカッション、美しくストリングスなど、ジスイズ川井サウンド!1:30あたりを聞き逃すな! 『ヨハネスブルグ1』イントロの格好良さはしびれるほど。サックスメイン…

西田順生『買いたたかれない会社の3つの戦略』「新規品は安く売って、既存品を値上げすることなのです。(略)新規の引き合いがあった製品については、“買いたたかれた値段”で仕事を取り、従来から受注している製品については“売価を上げる”のです。(略)…

『誰に見しょとて』 ☆☆☆★化粧をテーマにしたSFなんて、女性にしか書けないだろうなあ…。 縄文人が始め純粋に美のために化粧した場面から始まり、徐々に整形、身体障害へのサポート、鰓呼吸など、人体改造から、宇宙への適応まで、「シームレスに」連作短編と…

オススメの曲『序曲』(『修羅雪姫』『らんま1/2 中国寝崑崙大決戦!掟やぶりの激闘篇』より)レグルス@関西人です。 今回は本ブログではおなじみ(?)の同名曲シリーズ。『序曲』という曲名の2つです。まずは『修羅雪姫』の『序曲』。 映画開始、タイ…

『支那思想と日本』 津田左右吉 ☆☆☆★ 岩谷新書なんと昭和14年発行!私が読んだ本のうちでは最古記録である(後の本に出てくる引用としては、日露戦争のものや、GHQ焚書図書開封などがあるが、一冊の本として)。 ちょっと重複が多いかな…。まるで複数のエッ…

『7つの海を照らす星』七河加南 ☆☆☆☆創元社伝統の連鎖(連作)短篇集。ぶっちゃけて言えば加納朋子や若竹七海『僕のミステリな日常』みたいな感じ。 舞台が児童福祉施設(正解には児童養護施設。読んでも覚えられなかった(^_^;)) 各短編の最後には、「謎の…

岩谷誠治『早い話、会計なんてこれだけですよ!』「一年間、つまり次の報告日までに現金に戻ってくる予定のものを流動資産、一年を超えるものを固定資産に区分します。」「一社員として耳にする経営者の訓話は、「厳しい環境」「今年が勝負」というように、…

『さかさ』倉坂鬼一郎 ☆☆☆★ 角川ホラー文庫『ひだり』の続編であり、八神宇鏡シリーズの完結編(かどうかは断言できないが、最後は満身創痍ゆえ、大きな区切りとなることは間違いない)。 やってることは『ひだり』と大差ないが、スケール、エロ、グロどれも…

『ガイア(上)』 ☆☆☆★90年に書かれた作品だが、2038年の地球社会を描くのが半分(というか、文量的には七割くらいある)、もう半分というか、SFとしてのメインは、人工的に作られたマイクブラックホールが事故で地球内部に落ち込んだことで引き起こる事態の…

『テンペスタ』 ☆☆☆池上了一の小説に『テンペスト』というのがあるが、そちらの意味は知らないが、こちらは、美術史的な絵画のタイトルから。 この作品、はっきり言って体裁はツンデレ系ラノベと大差ない。もちろん作者らしい日本愛、日本語愛、や美術史うん…

岸良裕司『全体最適の問題解決入門』『「木を見て森も見る」最強の思考プロセス』という副題の通り、具体的な問題解決事例よりも、基本となる考え方を紹介している。 その内容は、乱暴に言えば、問題点があれば、対立、因果関係、メタ視点など、様々な関係性…

『攻殻機動隊』 ☆☆☆☆『2』に比べると、はるかに読みやすい。こちらはちょっと密度が濃いが、普通のマンガの文法の範囲内で描かれている。キャラもマンガチック(変な書き方だが)だし。 絵柄は、2巻くらいまでの『サイレントメビウス』に似てる。 改めて読…

『テキスト9』 ☆☆☆★なんだろねえ…。 本作は『新しい太陽の書』のようであり、『ノヴァ』のようであり、『ジャン・ゴーレ』のようであり、『果てしなき流れの果てに』のようであり、『神狩り2』のようであり、『言壺』のようであり…。 ミステリーで言えば『ウ…

『ひだり』倉坂鬼一郎 ☆☆☆★このシリーズ、タイトルが似ているだけで、共通する登場人物がいるわけではない、不思議なシリーズだ。確かに、ホラーの真面目である、何が起こるか分からない不安を掻き立てるには、効果的な設定だろう。シリーズ登場人物イコール…

『鬼蟻村マジック』 ☆☆★やっぱり作中でも言及されるとおり、横溝的一族ものミステリー。 三十年前の密室人間消失から、現在の連続予告殺人まで、トリック盛りだくさん。 ただ、真犯人こそ意外ではあるものの、トリックは半分くらい推理できた。また、真犯人…

和田裕美『誰でもリーダーになれる3つの約束』こういうタイトルだが、エピローグには 「愛のない人に人を育てることなんてできないからです。 だから、愛情を持てない人には土台がなく、こんな人はリーダーに向かないし、ならないほうがいいと私は思うので…

堀公俊『チーム・ファシリテーション 最強の組織をつくる12のステップ』「「目標達成型」アプローチ(略)原因を追及せず、解決策だけを考えるのがこの方法です。(略)根本解決よりも行動を起こすことを優先する、という発想です。」「できなことにチャレン…

なお、カバーイラスト、一見美少女に見えるが、よーく見れば不細工ですよ〜。 『BEATLESS』 ☆☆★大作。ただし、どれもこれもどこかで見たような設定、ビジョンばかりで、目新しさが全くなかった。 アンドロイド美少女が主人公の少年と契約して戦うのは『ロー…

『カムナビ(下)』 ☆☆☆☆★下巻だけでも普通の小説3冊ぶんくらいの大ボリューム。 志津夫たちだけでなく、気象庁など、様々な視点から描かれることで、物語のスケール感がアップしている。映画で言えば『2013』くらいのスペクタクル巨編だ(ま、舞台的には長…

『名探偵の証明』市川哲也 ☆☆☆★鮎川哲也賞だからって、ペンネームまでパロディにしなくても(^_^;)(逆に、本名なら凄い)往年の名探偵と、新進気鋭の若手名探偵、という構図は、JDCというより、摩耶雄嵩が得意とする設定。 本作では、狙ったのかどうか不…

『ファシリテーションリーダーシップ』ジョージ・エッケス会議の進め方だけでなく、プロジェクトチームをきちんと結果を出すために運営する仕組みを書いた本。「独裁型の意思決定にはデメリットも多い。第一に(略)影響を受ける当事者に相談なく事が決めら…