思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『私に似た人』
追記

『殺人症候群』のアップデート版的な側面もあるなあ…。


『私に似た人』
☆☆☆☆

複数の登場人物のエピソードを連鎖短編で繋げるのは『プリズム』以来の作者の得意とするところ。その手法では宮部みゆき『理由』、テロによる社会の変革というテーマでは『この国』などの石持ミステリーを思わせる。従って本格度は高くない。すなわちどの短編に真犯人が潜んでいるか、特にフェアな伏線がなくても良い。ただ、逆に言えばそれでも読者を納得させるだけの小説力が必要ということだ。

古谷文太『「値引きして売れるなら捨てるよりマシ」は本当か?』

「損得計算表では「将来のお金の動き」のみに注目します。裏返せば、「過去のお金の動きは無視して考える」ということ。(略)そのほうが「間違いが少なくなる」からです。」

「値引き販売をしたからといって客数や販売数が増えるわけではな2ということです。値引き商品を棚に並べれば、単に通常価格で売れたはずの分が値引き販売分に置き換わってしまうのです。(略)「機会損失」といいます。」

「企業の固定資産は、一定の時点での価値が帳簿に記録されています。これが「簿価」と呼ばれるもので、取得した金額からそれまで使用した期間の減価償却分を差し引いた金額のことです。(略)損得学では、そもそも「簿価」で固定資産の価値を評価することはしません。損得学の判断基準は、あくまでも将来の儲けだからです。(略)会計上、資産として計上されている「簿価」は、使いつづければ「減価償却費」に、償却を終える前に廃棄すれば「固定資産廃棄損」になります。(略)いずれ何らかの形で費用・損失になる点では変わりがありません。(略)その資産を売却することによって現金が入ってくるなら、その金額は損得計算表に算入されます。」