思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

インシテミル
☆☆☆★

映画は以前観ていて、「ま、ゲーム的設定のミステリーサスペンス。こんなもんかなあ…」という感じだった。
この原作は、犯人とか、基本的には大きな違いはないようだ。ただ、主人公が「監獄」に入れられたかどうかは覚えてない。
最も大きな違いは、本格ミステリのコード(またはお約束)に対する言及。各自に割り当てられた凶器への説明文は映画より充実していた気がするし、主人公と最初に監獄に入れられた岩井が、ともに大学のミステリ研究会というつながりがあり、二人がミステリ談議から真犯人を推理する下りだ。この二点こそがタイトルの由来でもあるわけで、ここが薄れた映画版は、観てもタイトルの意味がよく分からなかったのも無理はない。つまり、ミステリマニア(読者)と一般人の乖離にトリックが仕組まれている、という趣向。


風雲児たち〈幕末編〉24』
☆☆☆☆★

水戸と薩摩の近況(?)と、ヒュースケン暗殺事件、対馬へのロシアの侵略などが描かれる。
巻末の作者インタビューも必読。なんと完結まではあと二十年だとか。嬉しい反面、生きている間に終わるのかどうか…。