思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ウルトラマンジード 劇場版 繋ぐぜ! 願い

☆☆☆★

怪獣に滅ぼされそうになった宇宙人が、お宝と共に脱出した。その先が地球(本作では沖縄)だった、という、特撮ものでは定番中の定番の設定。
お宝は、独鈷杵みたいなアイテムだが、はっきり言って、何がお宝なのか、資格が何なのかはさっぱり分からない。
致命的なのは、ウルトラマンだから使える、というのだが、本作にはウルトラマンが3人出て来るのに、ジードでなければならない理由がないこと。ゼロには触れる機会がほぼなかったからいいとしても、オーブは人間体としてリクと一緒に活動していたのだから。
脚本構成的には、リクが落ち込む必要があるのは分かるのだが、落ち込む意味も、復活する理由もよく分からない。そこで決め台詞である「じーっとしてても、どうにならねえ!」と叫ぶのだが、それならなんでじーっとしてたんだよ! と、ツッコミたくなる。
本作では平成ウルトラマンではお馴染みの(?)サブキャラ、グレンファイヤーやミラーナイトも登場するのだが、四人いっぺんに行動し、敵惑星のバリアに阻まれて四人とも、地球の外から傍観しているだけ。何しに来たんだよ!?(´Д`) ラストに、リクが子役で出ていた時の相棒に事実上のツッコミを入れられていたので、ある意味、そのためだけに登場させたのかもしれない。
ゲスト怪獣は、滅ぼされた宇宙人とセットのなんとかシーサー。どこからどう見てもデカいポケモンである(^^;) これがまた文字通りの咬ませ犬で、全く役に立たないんだなぁ(´Д`)
本作で良かったところは皆無かと言えば、孤高のヒール役のジャグラーが味方として共闘し、その中で「地球の平和を守ってみたいかも」なんて言って、それが後に『ウルトラマンZ』で実現したことだ。
また、カンフー好きとしとは、中盤に生身乱闘シーンがあったのは純粋に格好良かった。坂本監督の面目躍如。作中の設定はともかく、動きのキレ(中の人)だけで見れば、本職だけある、金ピカ宇宙人の上司が一番、次はレイト、最後はライハ。この3人が段違いで、その次のオーブ以下は素人やろうね。
川井さんの劇場は、燃える曲もなくはなかったけど、内容がフツーすぎて全体としとは印象に残らなかったなぁ……。