思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

三体3(下)



☆☆☆☆★
早川書房

あとがきにもあるが、『2』を読んだ時に、これ以上の展開はないやろ?! と思ったのだが、そんなのを吹き飛ばすスケール。ネタバレになるかもしれないので、他の作家でいえば、ステープルドンとタイムスケール、バクスターの空間的広がりと科学的な生命の多様さ、イーガンのハードSFと数学を小説的現実に持ち込んだ展開、作品では特にクライマックスは『アレフ・ゼロ』と『2001年』の影響、そして『ジョジョ』4部の某スタンドを拡張した超絶展開が延々と描写されるところにはぶっ飛ばされた。
ラストは、やはり『2001年』のアップデート版ということだろうなぁ。ここまで来て、さわやかな結末、というのがすごい。
なにせ人間の生き死になんてどうでもいいタイムスケールなので、人間があっさり死ぬのも良い。