思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ホット・ファズ

☆☆☆☆

ハチャメチャエンタメ、というケーブルテレビ番組紹介文だけの前情報で観た。
最初は、ロンドンで活躍したエリート刑事が、ひとりで飛び抜けた能力故に、周りと上から煙たがられて、田舎に飛ばされる。田舎の呑気なお巡りとのギャップを描く、三谷幸喜的なヒューマン、コメディかと思いきや……。終盤になると、さまざまな側面のブラックさが前面に出てくる、序盤からは想像もつかない展開になる。ふらっと劇場に入ったら大満足できる、というまさしく映画の醍醐味が味わえる(そんな言い方はないけど)大佳作。ただ、ブラックユーモアを超えたゴア描写もあるので、そういうのがダメな人は避けたほうがいいかも。

以下ネタバレ

中盤以降は、意外な展開(ほとんどの人が犯人)というミステリーとしての側面、香港やハリウッドの警察映画のパロディとしての側面が全面に出てきて、完全に超B級映画へと変貌する。これが『映画秘宝』ファンなんかにはドツボ・・・じゃなくてツボにハマる娯楽映画なのだ。全身に銃をハリネズミのように刺して、サングラスをかけて街で市民(に見える、市民生活を送っている犯人たち)と銃撃戦を繰り広げるところが痛快。
ラスボスとの戦いでは、ミニチュア都市でのタイマンという、ある意味では怪獣映画かウルトラマンのパロディともいえるシチュエーションもある。
一件落着かと思いきや、警察署が爆破、というツイストからの相棒の死? という二重のツイストなどを含めると、ミステリーとしての予想を裏切る展開も、中盤以降は何回もある。