思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『猫河原家の人びと 一家全員名探偵』青柳碧人 ☆☆☆ 新潮文庫面白そうではあるが、やはりラノベのそれ。警察官が、捜査中の事件を夕食時に家族に喋って、家族が推理合戦する、というのだからアホらしい( ´Д`) 推理の内容がハードならスリリングだが、事件も…

『人の心を自由に操る技術 ザ・メンタリズム』DAIGO ☆☆☆☆ 扶桑社マジシャンが自分のネタを種明かししているのと同様の内容と、奥付に「構成・文」としてちゃんと別人(ライター)の名前が書いてあることに好感が持てる(これも、著者に好感をもってもらう為…

『星系出雲の兵站(4)』林譲治とりあえずの決着と、ガイアス人の正体が分かる。 どちらも、ファースト・コンタクトもの、ハードSFの両面からしても及第点なのだが。終わって見れば、4巻でようやく第1部が終わり、というのは長すぎる。少なくとも、ここま…

『萌えよ!戦車学校 戦後編(2)』 ☆☆☆★ イギリス、フランス、ドイツ編。おまけとして戦闘ヘリ編も。 フランスがルクレールまでダメダメだった、イギリスのチャレンジャーも、見た目に反して欠点が多いとか、中身に関しては、(当たり前だが)プラモだけでは…

『デッドプール』☆☆☆★かなり期待していた反動か、がっかりだった。序盤の刀を使ったアクションシーンでのスローモーションや、クラッシュ中の車を突き抜けたカメラ移動などは、ジョエル・シルバー製作の『マトリックス』シリーズと、次の映画『ソードフィッ…

『ビット・プレイヤー』グレッグ・イーガン ☆☆☆★ ハヤカワ文庫SFSF的な脚色は、これでもか!というくらいなされているが、ストーリーそのものは、素朴な人間関係を描いたものばかりの中・短編集。 だから分かりやすい、とも言えるが、純粋に科学(形而上)の…

『FAKE』☆☆☆★ これは映画なのかなぁ……。ドキュメンタリー映画をほとんど観ないので、テレビのドキュメンタリー番組との違いが分からん。考えるに、監督の主観、主張の濃さ? なので、映画として、作品としてどうこう、というのが批評できないのだ。 ラスト20…

『世界の名機シリーズ Bー2 スピリット』 ☆☆☆★ イカロス出版公開されている情報をまとめた資料としては充分。だが、機体の特徴として、バリエーションがない、ステルス、爆撃機、核攻撃専用と、トップシークレットが三拍子揃っているので、シリーズ統一とボ…

『死亡フラグが立つ前に』七尾与史 ☆☆☆☆ 宝島文庫「死亡フラグ」シリーズの短編集というより、短篇スピンオフ集。本シリーズの各要素をフィーチャーして、世界観を広げ、深める内容になっている。『死亡フラグが立ちましたのずっと前』☆☆☆★ 『カレー事件』で…

平木典子『アサーション入門』を読む印象に残ったところ「アサーションとは(略)「自他尊重の自己表現」(略)「自分も相手(他者)も大切にする自己表現」という意味です。(略) 英和辞書を引くと(略)「主張」「断言」(略)などと訳されています。この…

『連続殺人鬼カエル男ふたたび』中山七里 ☆☆☆☆ 宝島社本格ミステリで、単なるシリーズ探偵ものではない続編、というのも珍しい。こういう関係は『百舌鳥の叫ぶ夜』シリーズのようかも。 前作ほどの完璧さはないが、グロ描写と、どんでん返しは健在。前作がメ…

『未知との遭遇』 ☆★ スピルバーグ印の名作…とされているが、どこが面白いのかなぁ…。ダメな父親が、真面目を発揮するが、そこは家族や人類ではなく、異星人にたいしてだった…というもの。 高橋克彦も書いていたが、「ムー」案件というか、超常現象ネタばか…

『オブジェクタム』高山羽根子 ☆☆ 朝日新聞出版円城塔みたいで、やっぱりどこが面白いのかさっぱり分からない。SFかどうかも。 『オブジェクタム』 老人と少年……なのだが、主人公は女にしか感じなかったなぁ……。オチでSF的な設定でも明かされるのかと思った…

『限りなく黒に近いグレーな心理術(メンタリズム)』DAIGO ☆☆☆★ 青春出版社先に読んだような心理誘導マジックではなく、実践心理学(そんなのあるのか?)というか、日常で遭遇する事態に対処するための心理学。 「男性は(略)自分で目を合わせて話してい…

『賭ケグルイ(11)』 ☆☆☆☆★あとがきにある通り、本作では珍しい(初めての)電子ゲーム(表現が古いか。コンピュータゲーム?)である。 ゲーム内容そのものは、「要請」という要素を抜きにすれば、アナログでも充分できるもの。嘘や騙しの要素が強いところ…

『リバース』湊かなえ ☆☆☆★ 講談社『豆の上で眠る』の解説で勧められていたので、楽しみに読んでみた。 最初は道尾秀介か宮部みゆきみたいな、純文学路線。1章のラストで、コーヒー好きの主人公(だからカバーにコーヒー豆のイラストが)を告発する手紙を読む…

『映画の字幕ナビ』落合寿和 ☆☆☆ スティングレイベテラン字幕翻訳者のエッセイ集。映画のトリビアや、業界の裏表が分かるので、映画ファンは必読。 ただし、本としては、重複も多く、バリバリ校閲して、3割くらいダイエットすべきかな……。10年ぶんくらいの…

『ライフ』 ☆☆☆★ 序盤の、火星の生命を、細胞から培養するくだりはSFマインドを刺激されてよかった。ただ、そこからは完全に『エイリアン』だし、『スピーシーズ』みたいなC級SFになってしまうのが残念。火星生命体カルビンの動きは、イカみたい。内壁を蹴っ…

『引っ込み思案のあなたが生まれ変わる科学的な方法』アンディ・モリンスキー著/花塚恵訳 ☆☆☆★ ダイヤモンド社前に読んだ『コミュ障のための……』のほうが、具体的かつ、私には為になったが、段階的に進んで行く、一歩踏み出すだけではダメ。というのは大いに…

『『カメラを止めるな!』アツアツファンブック』 ☆☆☆☆ 角川書店この手のムックは、編集者が素材からでっち上げた薄いものもあるが、本書は、さすがアツアツの映画のムックだけあって、非常に「濃い」。十分に1500円の素は取れる(^_^;)何しろ、ほぼ全ページ…

新免玲子『働きがいNo.1企業になった小さな会社の物語 給与も賞与も、社員みんなで決めてます』を読む印象に残ったところ「社員のポテンシャルを最大限に引き出すためには、社員の「納得感」をさらに高める必要がある」「企業理念(略)は、全社員の話し合い…

『だましの技術!』ゆうきとも+多田文明 ☆☆☆★ メディアファクトリーゆうきとも氏はプロマジシャン。世にも珍しい騙しのプロと、騙されるプロの対談である。 対談ももちろんだが、それぞれが書いている注釈が非常に面白い。「悪徳業者の誘いを断る究極の方法…

『豆の上で眠る』湊かなえ ☆☆☆★ 新潮文庫現在と回送の比率が3:7くらいで、しかもどちらも主人公の一人称。一行開け以外に体裁としての違いもなく、けっこうとっつきにくい。おまけに時制が飛ぶ時以外も一行開けがあるので。 雰囲気が近いのが、道尾秀介や…

『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方 ・話し方』印南敦史 ☆☆☆★ 日本実業出版社本書では、コミュ障を3段階に分けるテストもあるが、実はどれでも関係ない。 「まず、コンプレックスが「すぐそこにいる」ことを認める。そして認めたうえで、その存…

『超古代文明論 オーパーツが証す神々の存在』高橋克彦+南山宏 ☆☆★ 徳間文庫UFOや宇宙人、いわゆる『ムー』的なネタを、大真面目に語り合ったもの。 いちおう、科学的・批判的な視点もあるのだが、やっぱりSF以外のセンスにしか思えなかったなぁ……。 ホーガ…