思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

デッドプール』☆☆☆★

かなり期待していた反動か、がっかりだった。序盤の刀を使ったアクションシーンでのスローモーションや、クラッシュ中の車を突き抜けたカメラ移動などは、ジョエル・シルバー製作の『マトリックス』シリーズと、次の映画『ソードフィッシュ』みたいで格好良かった。
そこから、話は主人公がヒーロー/ゾンビになるまでの話に移る。そこがもうひとつだった。
これ、『スパイダーマン』的な普通のマーベルまたはDC映画やん( ´Д`)デッドプールとしてはやっていた「第四の壁」=観客への語りかけも、素顔の時にはまったくないのだ。
第四の壁ギャグ自体も、そんなに面白くないし、ネタも分からないものが多い。メタネタ、ギャグともに、テレビ『レゴ・スターウォーズ』のほうが数倍面白かった。
このネタで致命的なのは、デッドプールのマスクが白目みたいで、瞳(目線)が見えないこと。観客に向かって喋っているように感じないのだ。これは、英語が分かる人や、日本人でも吹き替え版なら、少しは改善されたかもしれないが……。これではモノローグとの違いが出ていない。
結局、本作は下品な『エックスメン』以上ではない印象だった。それにしては、他のメンバーが(予算の都合とはいえ)ショボいし……。固いだけで、敵のねえちゃんにすらパワー負けしている銀ぴか男に、炎を出すだけの坊主女なんていなくて、デッドプール単品で十二分だったはず。

とは言え、面白かったところもある。ゾンビ(不死身)になった主人公が、マスクを作るのだが、最初は実にチャチなのに、少しずつグレードアップしていくところこのあたりはスピーディーな編集も◎。
そして、雑魚敵の頭部を切って、別の敵にサッカーボールよろしくキックするカット。