『風雲児たち(29)』
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ほぼまるまる池田屋襲撃。いわゆる新撰組のそれではない。薩摩藩の粛清/内輪もめである。
それまでの暗殺事件と同じく、史料に基づいて、細かく描いているため、非常に勉強になる(?)。だが一方で、こんなペースだと作者が生きている間に五稜郭まで行かないんじゃあないかとやきもきしてしまう。アンビバレントである。
何しろこの巻の後半の扉絵にあるように、作者は七十歳なのだ。
これだけシビアな中でもそれなりにギャグがあるのも凄い。
風雲児たち 幕末編 29 (SPコミックス) みなもと太郎 リイド社 2017-05-29 |
『天竺風雲録(1)』
☆☆☆☆
伊藤勢の新作。田中芳樹原作。
支那の唐王朝の時代の外交官を主人公に、インドとの戦争を描く。と言っても、壮大な合戦シーンは冒頭だけで、物語はそこに至るまでの経緯を描くため、一気に過去に飛ぶ。
スターシステムによる作者の常連キャラはほとんどおらず(冒頭の女性キャラくらい)、スクリーントーンもかなり少ない。現代のマンガ事情からすると、皆無と言ってもいいレベル。
舞台が作者のライフワークとも言えるアジアなので、初期の作品群に近い雰囲気がある。
天竺熱風録 1 (ヤングアニマルコミックス) 伊藤勢 田中芳樹 白泉社 2017-05-19/td> |
柳沢義春『頭のいい人がしている リーダーシップの教科書』を読む
印象に残ったところ
「関係が悪化しそうな場合は…
仲直りではなく「手を組む」が関係修復の基本(例。「手伝うことはある?」と協同作業をもちかける)」
「間違ってもメンバーには「納期は先だからゆっくりでいいよ」と言ってはいけない。(略)忙しいときほど最大の力を発揮できる(略)長期の仕事でも細かくリミットを設定する」
「成功した仕事ほど自他共に(略)次の仕事に活かせることは多い。」
「取りかかる仕事についての「良い例」を示すことだ。見本となる過去の段取りや売上等の数字があれば、それに向けてメンバーは現時点ですべきことや足りないところを具体的にイメージして、すぐに行動に移せる」
「部下をどう褒めればいいのか分からない、と困っている人は(略)「君のおかげで助かったよ」「成果が出せてリーダーの立場としても嬉しかったよ」と、まずは自分の喜びをそのまま示してみよう。」
「もしチームのなかにいつまで経っても結果を出せないメンバーがいたら、あなたが直接指導する形で、ペアを組んでみるのもいいだろう。(略)できない人間は待っているより直接指導したほうが早い」