『暗い鏡の中に』ヘレン・マクロイ著/駒月雅子訳
☆☆☆☆
3作めだが、1作ごとに全然違う内容なのが凄い。
本作は、序盤はどんな事件なのか分からないが、中盤で、島田荘司的本格ミステリーであることが分かる。
以下ネタバレあり
探偵役が犯人を突き止める伏線は、後出しばかりに見えたが、見逃しただけで、ちゃんとあったのかもしれない。その内、匂いと足音の謎は、さすがに厳しいと思った。
真相(真犯人)は意外というか、ちょっと反則気味な気がするが、結末が見事なので、それほど気にならない。
そして、真犯人が何度も言うように、状況証拠ばかりで、立件できそうな証拠はほとんどない。だからこそ、不可思議状況が盛り上がるのだが…。
それを逆手に取って、最後にドンデン返しがあるのが本作のポイント。
暗い鏡の中に (創元推理文庫) ヘレン・マクロイ 駒月 雅子 東京創元社 2011-06-21 |