思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ガルム・ウォーズ』
☆☆☆★

これまでの押井守作品の総体制。
攻殻機動隊』『イノセンス』『アヴァロン 灰色の貴婦人』『めざめの方舟』『真・女立喰師列伝 ケンタッキーのマキ』『スカイ・クロラ』『雷轟』などの押井守作品に加え、『新しき太陽の書』『ディファレンス・エンジン』『世界の中心で愛を叫んだ獣』などの海外SFの影響も大。『老人と宇宙』まで読んでいるとは思えないが…。

結果的には、寓意や、深い意味があるのかないのか、よく分からないのが問題。一見、『新しき太陽の書』に近いテイストもある(読み解き可能なテキストっぽい)のだが…。

本作は、まず映画のパイロットフィルムが作られたもののお蔵入り。映像表現手法などが『アヴァロン』に転嫁され、十年くらい経って映画化。しかしながらロードショーは何年も遅れ、この小説版が出た。その後半年してようやく公開決定という数奇な運命を辿った。
この内容だと、『スターシップ・トゥルーパーズ』『スペースパトルシップヤマト』のような派手な大作にもなるが、『アサルトガールズ』のようなしょぼい作品の可能性も十分あり得る(マクロな戦場は描かれない)内容で、どちらかというと後者になりそうな嫌な予感が…。