思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

風雲児たち 幕末編 19 (SPコミックス)みなもと 太郎 リイド社 2011-07-27

グローバルな自由主義経済などというのはまやかしで、結局は国家による経済ナショナリズムが世界を動かしている、というもの。 内容じたいはすごく賛同できるが、重複が多いし、くどい(学者の論文的ともいえるが)ので、手放しではお勧めしづらい。 結論と…

各話のトビラでは何回かあったか、単行本の表紙としては初めての主線なしのイラスト。 第三次世界大戦=核ミサイル発射?!という物語全体としても大きなクライマックスといえる。(これから12巻も続くのが信じられないくらい) 特に2発目のハープーン発射時…

「常識」の非常識 (文春文庫)山本 七平 文藝春秋 1994-01

なんせ濃いオタクの二人なので、トークも濃い。 ゲストも池田憲章の変わりの伊藤秀明や渡部宙明御大など、濃い人ほど楽しめる話題が満載。 「渡辺 (略)(引用者注:アニメ・特撮作品の音楽は)ほとんど全部がレコード化される、CD化されるでしょう。ところ…

これはカバーで裏切ってるよなあ…。 たとえるなら『ブラックジャック』の愛蔵版・文庫版カバーのイラストと中見の手塚画くらいのギャップ。 カバーからすると『バビロニア・ウェーブ』みたいなハードSF(ミステリ)かと思うが、中見は戦後すぐの空想科学小説…

ホラー・サスペンス大賞の特別賞。 もちろん選者は改稿前のものに対して論評しているので、直接比較はできないが、私は、これで十二分に秀作だと思う。 もちろん京極夏彦的なところはあるが、当時はともかく、京極夏彦が本格ミステリをろくに書かなくなった…

『黄金の門』読了

平谷美樹 ☆☆☆★ 角川春樹事務所 『エリ・エリ』『レスレクティオ』に続く<神>をテーマにした3部作の完結編。(作者あとがきによると、『エンデュミオン・エンデュミオン』も入るらしい) 3部作とはいえ、今回は『エリ・エリ』のイントロとも言える時代設…

浦賀和宏って、新本格と西尾維新をつなぐというか、ねじれた位置ではあるが、中間に位置する…と書こうと思っていたのだが…。 これ、ついにミステリーですらなくなってしまったよ! 後半になって唐突に事件が起こるが、それも“作者”によって真相が語られてし…

『クロノリス』読了

ロバート・チャールズ・ウィルスン著/茂木健訳 ☆☆☆★ 創元SF文庫 『時間封鎖』の作者だから、危惧はしていたが、やっぱり水増しに継ぐ水増し。 2021年に、四十年後の年号と「クイン」と刻まれた巨大なオベリスクが突如出現する。 まるで『2001年』と『幼年期…

桜林美佐『誰も語らなかった防衛産業』読了 吉村達也『多重人格の時代』読了多重人格の時代 人間関係のピンチを脱する大逆転の発想 (プレイブックス)吉村 達也 青春出版社 1997-03「心神」のリアルなCG(完成・実戦配備テクスチャ)が最大のウリですが、田母…

極寒の海の死闘は、今回はまだリアリティがあるんじゃないかと思える決着。 後半は日本の選挙戦。 前巻に買いた「大滝=小泉」説だが、 大滝淳 ↑↑| ↓↑| 小泉純一郎 で、案外正解かも。 ベネット大統領の意向「最終的には経済力に寄生したちっぽけな精神の…

『後悔と真実の色』読了

刑事ものであり、本格ミステリであり、上級の小説である。 まず目を引くのが、刑事ものとしての面白さだ。松本清張のように無個性的な頭数が並ぶのでもなく、黒川博行のようにキャラがたち過ぎているのでもなく、吉村達也の志垣と和久井のように漫画的でもな…

ようやく避難しようとしなかった先住民の謎が明かされる。 それと、その前に起こった反乱と、マセが司政官の資格停止の意味なども、最後にまとめて明かされる。 まあこのへんはミステリーというか一部の山風忍法帖のようなどんでん返しともいえるが、どちら…

『暗黒太陽の目覚め』と同じタイプの作品。3分冊になるような話でもないはずだが、本部と支部の官僚機構の説明なんかを悶々と延々と自問自答しているので長くなるのだ。改行もなしに2ページぶっ通したりするので、読みやすいともいえないし…。 単に『日本…

合間に日・米そして国連事務総長らの政治劇はあるが、 読後の印象としては全編サザンクロスを巡る攻防といっていい、バトル巻。 海江田、深町と米原潜艦隊の行き詰まる攻防は、これまでで最大の盛り上がりと言っていい。 特に深町の格好よさはこの戦いが頂点…

OLDGAMERS SAGA Vol.2メディア・パル 2011-06-25シューティングゲームサイドVol.2 (GAMESIDE BOOKS)ゲームサイド編集部 マイクロマガジン社 2011-06-30

『日本の10大天皇』読了

高森明勅 ☆☆☆☆ 幻冬舎新書 タイトル通り、歴史上の天皇を10人取り上げ、その歴史と業績を書いたもの。 単なる歴史ではなく、天皇にまつわる特徴や問題点を同時に論じているのが特徴。 そういう意味では二番おいしい一冊。 天皇と日本についての入門書として…

時期は違えど、ちょうど一世代前の『甦る零戦』かな…と思って読み始めた。 少し読むと気になるのだが、本書はノンフィクションではあるが、小説として書かれている。“著者”がまったく登場しないのだ。 これについてはあとがきで言い訳があるのだが、著者にと…