思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『日本の10大天皇』読了

高森明勅
☆☆☆☆
幻冬舎新書
タイトル通り、歴史上の天皇を10人取り上げ、その歴史と業績を書いたもの。
単なる歴史ではなく、天皇にまつわる特徴や問題点を同時に論じているのが特徴。
そういう意味では二番おいしい一冊。
天皇と日本についての入門書として必要十分な、素晴らしすぎる名著(持ち上げすぎだけど、良書であることは間違いない)
口語体で書いてあるのが気になる人も多いかもしれないが、小学校高学年くらいでも頑張れば読めるし、逆に小学校高学年の教科書にして欲しい!

日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く (小学館文庫)日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く (小学館文庫)
佐藤 優

小学館 2011-02-04
メモ
「絶対に中立を維持すると声明し、戦争は我々の自尊心の許さないところだ(略)などと嘯いておりながら、アメリカも遂に参戦したのであります。当初戦争に加わらなかったのは、勝敗の数が逆賭し難かったからでありましたが、戦局が段々と進んで連合国側の勝算がほぼ明らかになりますと、存分に漁父の利を収めるために、以前の声明などは忘れたかのように大戦に参加したのであります。」
「敵国を占領してハタと当惑するのは、昨日まで仇同士であった敵国人民と仲よしにならねばならないことである。つい先ほどまで米鬼とか、鬼畜米英!などと喚いていた同じ口で「マッカーサー万歳」ととなえるのも気がひけるし、「撃ちてしやまん」の勢いで敵前上陸させた若者たちに「敵人を愛せよ」などと、急にキリストみたいなことをいっても格好がつかない。
こんな時に用いられるのは、誰かを悪者にデッチあげることである。身におぼえのない罪をきせられる人こと迷惑千万であるが、この方が征服者、被征服者共に都合がよいのである。太平洋戦争敗戦後軍人たちは軍閥といわれて面食らった。日本に軍閥があったのは山縣元帥の全盛時代の昔のことである。日本を占領したアメリカ軍は、日本の国民とわだかまりなく仲よしになるために、軍閥という悪者をデッチあげたのである。(略)(大橋武夫『謀略ーー現代に生きる明石工作とゾルゲ事件』」