思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ジョセベル


☆☆☆

原題も同じ。『バイオハザード』のミラ・ジョボビッチみたいな人が主役。
交通事故で夫とお腹の子供を亡くして車椅子生活となり、実家に帰ってきて、父親と暮らすことになった主人公。幼い時に亡くなった母の片身のビデオテープを見つけて、怪奇現象が起こる。
パラノーマル・アクティビティ』みたいな感じだが、結構早く幽霊が実体化してアタックしてくる。Jホラー的なテーマなのに、怖がらせ方は、お化けが危害を加えるアメリカ式。
車椅子だから自由に見に行くことも、逃げることもままならない、というのは、『』(プレシディオチャンネルの、引っ越し先の隣りに住む下半身付随の少年のもとに遊びに行く話)もそうだったが、優れた設定だと思う。
助けるヒーローも、抱き抱える必然性があるし。ただ、このヒーロー役というのが、幼なじみなのはいいとして、既婚者なのはどうかと思う。特にそちらの過程が突っ込んで描かれないので、そっちの妻子のほうは、完全に裏切られていて、激おこやん(´Д`) 主人公を助けて、と感情移入できないよ。
ラストは、ちょっと予想と違った収束で、論理的には矛盾があるがらどんでん返しとしてはまあ、アリなのかなぁ……。

以下ネタバレ

暗くてよく見えないが、主人公を襲う怪物は黒人女性だった。主人公の母親は、お手伝いの黒人男と密通して、生まれた子供を殺した。同時期にとった養子が主人公というわけだ。密かに森の中に葬られた赤ちゃんが、なかったことにされた自分の人生を返せと、恨みで襲って来ていた、というのが真相。当然、それを主人公と、幼なじみが撃退するのだが、逆恨みと言えなくもないが、幽霊の気持ちも充分分かるので、両手を上げて喜べない。幼なじみも、純粋な義侠心ならいいのに、「愛してる」とか言わせてるし。これじゃ、妻子から呪われても文句言えんぞ(´Д`)
ただ、ラストに「我こそジョセベル」的な宣言で終わる切れ味は良かった。