思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ナーヴ 世界で一番危険なゲーム


☆☆☆

YouTube時代らしいサスペンス。ネット中継で出されるミッションをひとつクリアするごとに、金が振り込まれる「ナーヴ」というゲームサイト。冴えない女子大生である主人公は、片思いのアメフト部のキャプテンに振られたことを契機に、これに挑戦することにする。
ユーチューバーの再生回数と、スーパーチャットを合わせて、デスゲーム風味に仕立てたもの。それを、ニューヨークなのか、都会の夜景や看板など、カラフルな色彩と、歌ものを流しまくりで、いかにも若者向けっぽく仕立てた。歌もの嫌いな私だが、ここまで(20曲くらいあるんじゃない?)全編歌ものばかりだと、いっそ清々しい。
現在はナーヴの、いわゆるチャンネル登録者がトップなのが、主人公の友人、というあたり、世界が狭すぎやろ!? とか、5秒間キスする、いうと最初のミッションの相手と決勝(最初のゲーム説明では全く触れてなかったので、無限に金額も難易度も上がっていくのかと思いきや、決勝なるものが存在するのだ)まで行くとか、ご都合主義だが、本作はオタクではなく、まさしく主人公の友人のようなパリピ向けだかは、それくらいその場限りの盛り上がりや、ツイストがあればいいのかもしれない。少なくとも、「パラノーマル•アクティビティ」だか「ユージュアル•サスペクツ」のスタッフが仕掛けた、なんてウリ文句から、巧緻に張り巡らされた伏線、なんてのは期待するだけ無駄。ターゲットがはなから違うのだ。
真面目に観ると、短時間で主人公が覚醒しすぎとか、ご都合主義的な展開ばかりだけど、いわゆる、「普通の人が暇潰し(スマホ時代の現代、そもそもそんな動機でふらっと映画館に行くこともなくなったんだろうなぁ……。)に観て、退屈しない」という程度の役割は十二分に満たしていると思う。

以下ネタバレ

観ている間からも、真っ先に気になるのが、ミッションの課題を出しているのは誰か? ということだ。ラストには当然、その黒幕と対決するんだろうなと思ったら、特にいない(´Д`) 主人公の男友達の友人には高校生なのに、『フリー•ガイ』ばりの天才ハッカー集団がいて、ハッキングで決勝戦に介入して、細田守映画ばりに解決してしまう。実はライバルもグルだった、というのはツイストとしては意外だが、一般的の視聴者が一人残らず退会するってのは都合良すぎるでしょ。子供向け30分番組じゃないんだから(´Д`)
パリピの友人が、実はいい人だったとか、これも人間関係を丁寧に描いたソフトストーリーならともかく、こういうわちゃわちゃしたエンタメ映画でされてもなぁ……。でもまあ、これは私的にはアリな部類。