思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ゴースト・ヴィレッジ

☆☆☆★

原題は『THE HARVESTING』。先週『THE HARVEST』という原題の映画を観たとこやけど(^^;)
家族が、夏休みに田舎へ避暑に行くと、そこで怪しい人影(幽霊?)が……。
一方で、その村の人々も、冒頭に描かれた殺人事件をはじめ、不穏な空気に支配されている。
この村のある家の父親の顎ひげが、なんかみなもと太郎の描く伊藤博文みたいで、コントみたいでおかしくてしょうがない。アブラハムというから、実はリンカーンなのかと思ったが、そうではなかったし。
サマーハウス内外で人影が見え隠れするのは、『レフト 恐怖物件』みたいだし、夏至が近づくことを村人が強調しているのは、『ミッドサマー』みたいではある。
物語が、アブラハム夫妻とその息子のパートと、主人公たち家族のパートが、ほとんど交わらずに進行し、さらに最後には主人公だけが単独行動するので3つに分かれるので、いちいち作中人物への没入感や作品世界へのノリが途切れ途切れになり、どうもドライブ感に欠ける。
2、3回出てくる、池のほとりで洗濯しているキチガイおばさんが、怖くて良かったかな。

以下ネタバレ

本作は、設定的には『ミッドサマー』っぽいが、やってることは上述の『事故物件』に加え、『ヘレディタリー 継承』や『X』に非常に似ている。ラストの、謎の焚き火みたいなやつも、『IT THE END』や『アバター』のラストのそれを連想した。
アブラハムたち村人家族のお話が、全然主人公たちと関わらないので、過去なのかなとは予想できたので、ラストのオチとして、アブラハムたちの子供が村から逃げ出して、大人になって「主人公として」村に戻って来た、という仕掛けが明かされても、たいして驚かなかった。
そもそも、村に起こる元凶が謎の「焚き火」以外に描写されないので、どうにもスッキリしない。続編が構想されていて、そこで明かされる予定だったのだろうか。村じたいが呪われているとするには、それ以外の理由がありそうな、思わせぶりな描写が多かったし。