思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

遊星のヒミツ


☆★

30分くらいの自主制作短編映画。SFでもあるが、約20人くらいと、やたら登場人物が多いのは、劇団か何かかな?
民間企業が宇宙へ行けるようになった未来、ある企業が傭兵と囚人を集めて、火星で謎のミッションを行う。
登場が出でくるたびに役名と特徴(設定)が止め絵で紹介されるあたり、なんか中二病というか、小学生レベルのアイデアという気がしないでもない。
宇宙船の内部を頑張って作り込んだり、クライマックスでは、逆光照明を当てたりして、自主映画にしては頑張っているところもあるかな……という印象。全体に初期の雨宮慶太作品の空気が色濃い。
良くも悪くもそこだけ浮いているのが、クライマックス。突然、『牙狼』ばりのアクションができる女キャラが登場するのだ(エンドロールで、マント姿の時は中の人は男性らしいと分かる)。彼女がまた、『牙狼』の女性キャストなみに(?)可愛いし。
テーマ的なものが何もないので、見どころといえば、自主映画にはなかなかない本格アクションが一瞬あったことくらい。
プロデューサー的に言えば、これだけアクションができる人がいるなら、アクションに絞れば良かったのに。あの大学の仮面ライダー風の自主映画のように。

以下ネタバレ

オチは、ラフボス的に登場した女が、アクションのできた女(娘)を、やってきた調査隊に連れて帰ってもらう。娘を地球で育てたい、というのが「ヒミツ」。
でもこれ、普通の映画なら逆でしょ? 他人から見ても劣悪な環境でも、ナショナリズム(郷土愛)的な離れたくないのが普通。本作の展開は、よく言えば親バカだが、誰もでも彼でも東京や、いい大学に入れたがる、意識高い系の思想そのものな気がして嫌だなぁ……。