思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

イコライザー2


☆☆☆★

良い『2』だね。弱い者を守る、というテーマはそのままに、今度の敵は元同僚でもあるCIA(こっちも元だったのかな?)。前回のチンピラとは違い、戦闘訓練を受けた相手との死闘が描かれる。
今回の守るべき者は、うら若い女とは変えて、黒人の若い男。こっちは、クロエとは違って、守ってやりたい気持ちほとんと起きないけど(^^;)
『2』ならではのパワーアップ要素として、善者も悪者も、殺害描写が強めになっていることにも好感が持てる。端的に言えば血が増えた。
クライマックスは『クロール 凶暴領域』じゃないけど、嵐が来る中で、特殊部隊の戦闘っぽいバトル。
ただ、ラストカットに象徴されるように、高級映画に見せかけたい、しつこいうか、間が長い演出のせいで、娯楽映画としとのテンポが悪いという問題(特徴?)はそのまま。

以下ネタバレ

今回の悪役は、『ワンダーウーマン1984』の石油王を夢見て男。デンゼルの元同僚でもあるのだが、こいうが出てきた時点で、もう性悪なキャラだな、というのが読めてしまう問題点がある。これはショーン・ビーン(あるいは國村隼)問題とでもいうべきなのか。
暴力描写は、ラストの目潰しも見どころだが、衝撃を受けたのが、デンゼルの堪忍袋の緒を切るきっかけになる、親友かつ理解者でもある熟女が殺されるカット。1カットで、ナイフが腹に刺さって、服に血が滲むのだ。
家に隠し部屋があったり、クライマックスバトルでは、ブービートラップを駆使したり、ほとんどランボー。ただし、被害者側の描写はリアル志向で素晴らしいのだが、デンゼルのアクションのほうは、『1』よりはパワフルには見えるものの、カットを割ったり、カメラを動かしてごまかしてる感は、やっぱりある。
しかし、映画のルックとしてのハードさや、クライマックスの嵐の中の市街戦(銃撃戦)というスタイリッシュさで、それらを補ってあまりある。