思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『最強殺し屋伝説国岡』☆☆☆

『ある用務員』で主人公のカレシ役だったのはこの人だったのか。
闇の殺し屋会社があり、そことフリーの契約をしている国岡という男に密着したドキュメンタリー、という設定のフェイクドキュメンタリー。
良くも悪くも、まるで青年マンガのような設定。というか、これにそっくりの設定のマンガ、絶対あるよね??(詳しくないから知らんけど)
映画としては、殺し屋という非現実な設定を、バイトや若手社員として働く若者のような言動で描いたもの。不条理というか、あからさまにヘンな(いくら何でもありえない)シチュエーションも多く、ほとんどお笑いコントと言えなくもない。特に前半の山場である同業者8人とのシーンは、ふざけすぎてて、引いてしまう(´д`)
ノワールとしては、銃弾の命中率が場面ごとにバラバラだとか、ツッコミどころもあるが、良いシーンもある。あるターゲットを道端にあったスプレー缶だかブロックだかで一発殴っただけで殺すところはリアルっぽくて(?)良かった。
あとは、ライフルの反動でスコープからの衝撃で頭をぶつけるという描写も、一見リアリティの追求っぽいが、プロの殺し屋何だから、そんなことも知らない(プラス、対策・訓練していない)のはおかしいやろ?!
アクションも『ある用務員』で見せたように、この人の持ち味だが、ことフェイク・ドキュメンタリーとしては大いに問題がある。それは、アクションシーンではカットを割って、尚且つ切り返しショットを多用していることだ。これはドキュメンタリーならありえないことで、ここでモロバレ。あとはBGMも、ドキュメンタリーとしてはアクションシーンにつける音楽が格好良すぎ。明かにフィクションとしての選曲である。
本作のクライマックスは、敵の「最強ボディーガード」との路地での一騎討ち。延々と、10分くらいは戦っているかも。『カンフー・ジャングル』ではラスト15分か何かのバトル、とかいう売り出しがされていたが、本作もそれに劣らない。

2019年 日本