思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ヘル・レイザー4


☆☆☆★

今度は宇宙?!
冒頭は、誰がどう見ても箱の展開図やろ? という宇宙ステーションが舞台なので、そこから他の惑星に行くのか、宇宙ステーション内の閉鎖空間サスペンスと思いきや、ななめ方向に展開する。そもそも、あんな平面的な宇宙ステーションって有り得ないやろ、ってのもあるけど(^^;)
最初は宇宙ステーションのマッド・サイエンティストの反乱かと思わせて、彼を拘束して尋問すると、その回想シーンとして、なんと中世まで時間が飛ぶ。そこで語られるのは、「箱」の起源だ。とは言え、特別な悲劇とか、悪魔封じのための特別な素材(聖なるアイテムとか、呪いの品や、生き物の死体とか)が必要、というものは何もない。モデラーとしては、箱の模様が、木彫りとか金箔ではなく、エッチングパーツを貼り込んだものだ、というのが面白かったが。
ようやくこのシリーズの楽しみ方がわかったが、本作の魔道士は、頭のてっぺんの皮が捲れた女(男女問わず、スキンヘッドがデフォルトらしあ)、双子の頭の半分が回転しながら融合したやつ、犬だか豚だかのペット、の三体だ。回転融合のやつは、やっぱり『ジョジョ』でパクられてる(^^;)
第一部の、ジョナサンに壁越しに波紋を食らうゾンビがそれだ。
要するに、このシリーズは、どんなやつが、どんなふうに身体を変形させられるか、を楽しむもののようだ。シリーズのアイコンたるピンヘッドは、どこからともなく血が垂れたところから復活し、最後には箱によって封印されるのだ。

以下ネタバレ

レーザーという要素があるのは予想出来なかったが、宇宙ステーションが箱の展開図なので、折りたたまれて箱になることで悪魔が出現または封印されるのは読めていた。
中世パートが、(いくら、箱を創り出した男の子孫という設定にしたとは言え)まったく取ってつけたようなのは、宇宙だけでは映画として持たないと思って、テコ入れ的に追加されてからではないだろか? 本来は、『エイリアン』的な、宇宙ステーション内でのかくれんぼをやりたかったんじゃないだろうか。