思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡<合宿編>』☆☆☆★

事前情報ほぼなしで観た。もちろん前作『最強殺し屋伝説国岡』は観ていたが。
タイトルから、てっきりプロの殺し屋たちの強化合宿みたいな話かと思っていたが、なんと国岡が殺し屋志望の女の子たちの新人研修のインストラクターとして雇われる、という流れなのだ。
後から成立事情を聞けば、ミスマガジン(弾倉じゃなくて漫画雑誌のほうだろうね)たち6人の映画を作ってくれ、という趣旨の依頼(無茶振り)に坂元監督が答えたものらしい。
『ベイビー・わるきゅーれ2』もそうだったが、坂元監督は、普通のシリーズなら「5」とか「7」とかでやりそうな内容を、「2」にして既に入れてくる、という型破りというか、先読みしすぎな人だよなぁ。
サラリーマン企業の新人研修合宿のパロディみたいな内容で最後まで貫く、それだけでも十分に面白い(さらってきたチンピラを射殺する、なんてメニューもある)のだが、そこへマンハンターたちが襲撃に来る、というクライマックスが用意されている。この辺のツイストは『黄龍の村』と似ているかも。
小ネタとしては、サブカメラマンとして今回参入した人が、実は殺し屋志望であり、国岡たちの指導方針に意見する、なんてのは面白いが、てっきりラストバトルのジョーカーとして参戦するのかと思ったら、そういうわけでもなかった(^_^;)
クライマックスバトルでは、それまでのドキュメントタッチから、完全に普通のフィクション映画としてのカット割りになっている事に気付いてしまったので、ちょっと現実に帰る(モキュメンタリーなのに、現実に帰るってのも変な話だが)のが惜しい。
ただ、クライマックスバトルで国岡とラスボスが対峙するカットで、タイトルが入るのには良い意味で驚いた。ラストカット以外でタイトルが出る映画では、『ドライブ・マイ・カー』の30分とか、『ヒメアノール』の40分とかを抜いて、ぶっちぎりで遅い。全体が110分くらいなので、ほぼ9割が経過してからタイトルが出た事になる。これは映画史的に見過ごせない演出かも。それが十分に格好いいし。
ほんと言えば、このタイトルが出たことで映画的なカメラワークに切り替わればなお良かったのだが。要するに、予想外のマンハンターとの戦闘で、カメラマンが無視されている(真っ先に「邪魔や!」と殺されない)のがおかしい。しかも、戦闘が終わったら、またそれまでのドキュメンタリー調に戻ってるし。
猫(?)のニット帽をかぶっているキャラは、まんま『ベイビー・わるきゅーれ』のちさとと同じだったのはちょっと気になったかなぁ。
こんなにアイドルグループ的ないろんな女性キャラがいるのに、お気に入りが発生しなかったのが、私的には珍しかった。親が殺し屋だ、っていう女の子は準主役みたいな感じだったけど、娘的な目線での応援モードにしかならなかったし。