思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

神風タクシー


☆☆☆

タイトルから、なんとなく「東京のしがないタクシー運転手の日常を描いたドキュメンタリー」かと思っていたら、全然違った。
それでも、冒頭は日本に住む南米の移民というか、日本で暮らす南米人たちのインタビューがあるので、ドキュメンタリーであることは間違っていなかった……と思いきや、役所広司がペルー人として外国語訛りで喋っているカットでずっこけた(^^;)ちゃんと(?)フィクション映画だったのね。もしかしたら当時は役所広司はまだまだ無名だったのかな?
で、本題というか、本作はどういういう映画かというと、ヤクザ/若者(青春)チンピラ映画だ。ヤクザの若い衆が、組の方針に反して勝手に色々やるもんだから、ヤキを入れられて、それにムカついた主人公が、親分をぶっ殺そうとする、という話。それに『日本の黒幕』ではないが、政治家も絡んでくる。
やっぱり80年代だけあって、政治だのガイジンだのを扱うと、必然的にサヨク的に描かれることになる。そのへんに目をつぶれば、本作は懐かしき日本映画らしい任侠映画として楽しめる。
なお、タイトルはローマ字を格子状に配置したデザインなので、最初と最後に出るのだが、全然読めなかった(´Д`)縦書きか横書きかも分からんのだ(@_@)

以下ネタバレ

本作のミステリー的な仕掛け、というほどでもないが、ある種の観客へのツイストとして、ただのガイジンのタクシー運転手かと思いきや、黒幕的な政治家と因縁があり、役所広司がラストに死んだ主人公に代わってカチコミに行く、というまさに鶴田浩二的な任侠映画スタイルになるのだ。殴り込みに使う武器が、パチンコ玉を集めたスリングショット、というのが武器(ミリタリーというよりファンタジー?)好きには面白ポイント。