思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『キケン』有川浩
☆☆☆★
新潮文庫

とある理系大学でのドラマを描く青春ドタバタもの。限りなくラノベに近い感じ。
新入生勧誘、ある失恋、学園祭、ロボットコンテストなどのイベントを描く。各章末には、ある人物の回想台詞があり、最後には「現在」に帰着するので、この作品はシリーズではなく、これで完結している。
最終章の趣向は、純文学としては有り得ないが、章題にマンガが描かれているような作品なので、アリだろう。号泣…というほどではないが、ぐっとくるもの。
メチャメチャな先輩に振り回されつつ、しっかり部活ライフを満喫する、この雰囲気は、どこかで読んだのだが…。

キケン (新潮文庫)キケン (新潮文庫)
有川 浩

新潮社 2013-06-26


エメリッヒ印だけに、大味大作であることに違いはない。
ホワイトハウスがテロでドーム状の部分から炎と煙を撒き散らすカットは、『インディペンデンス・デイ』で模型によるホワイトハウス木っ端微塵に勝るとも劣らないが、まあそれだけ。
中盤のホワイトハウス中にはでのカーチェイスからのヘリ撃墜シーンはエメリッヒらしいケレン味たっぷりのところ。

大統領が生死不明になるので、副大統領が大統領になり、その副大統領も死亡する(その時のエアフォース・ワンが撃墜されるカットも素晴らしい)ので、その次が大統領に…。ちょとくどい。
最終的にはホワイトハウスにラブターによる空爆作戦が発動される。それがギリギリで回避されるのはおわかりの通り。
主人公の娘が鬱陶しいのはまだ許せるとしても、本作において致命的なのは、オバマを模したと思しき(最初の?)大統領役のジェイミー・フォックスが全く大統領に見えないことだ。


ホワイトハウス・ダウン [Blu-ray]ホワイトハウス・ダウン [Blu-ray]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2014-01-01