『お探しの本は』
☆☆☆☆
(ネタバレあり注意!)
図書館ものミステリー。北森鴻とか森谷明子『れんげ畑の真ん中で』『平台がお待ちかね』などの図書館・書店シリーズなどのようなテイスト。連作短編になっていて、全体としてはこれこそ『図書館戦争』という感じだ(図書館の存続をかけた戦いなので)。
『図書館ではお静かに』☆☆★
基本的には、本好きなら聞いたことはあるが、それほど詳しくない、というバランスのネタを見つけられるかが勝負だろう。本作では、森鷗外の本名を林森太郎と書き写し間違えた?というのがテーマ。
『赤い富士山』☆☆★
特にこう言う記憶による捜しものというのは、勘違いをどこまで牽強付会で押し切れるか、がポイント。本作で「東京タワー」を赤い富士山と勘違いしていたというのは、ちょっと無理がある。東京タワーが東京のシンボルであることと富士山との共通項については納得できたが。
『図書館滅ぶべし』☆☆☆
副館長の研修という名のテストは、理由も含めて(私にしては珍しく)簡単に分かった。おそらく誰でも知っているはずのタイトルである、ということ、喃語的な響きである、ということ。そして、外来語として支那からの漢字が抜けていることに気がつけば簡単だろう。あんって日本語では?というのが引っかかるが…。
『ハヤカワの本』☆☆☆
これまた、単純に「ハヤカワの本」で早川書房ではない、ということは容易に想像がつくだろう。早川図書が人名ではないのか?ということについて何も触れられないのも、大いに怪しいところなので、その存在を知っていなくても、そういうものがあるのではないか?というのは推測出来よう。
『最後の仕事』☆☆☆
まさに図書館の存続をかけた戦争(市の委員会)に主人公が挑む。最後には市長室に異動になるというので、ますます有川浩っぽい感じに…。
おさがしの本は (光文社文庫) 門井 慶喜 光文社 2011-11-10 |
『飛行機模型筆塗り塗装術』
エアブラシが基本にしてベストである、というのが最近の模型業界のセオリーだが、本書の田中克自は、筆塗りだけで仕上げてしまう塗装方を確立した。
それは平筆や磨き出し、というようなものではなく(カーモデルのような単色ではないので、それは無理)、なんと全面において極細面相筆のみ使う、というもの。
しかも、塗料ビンを攪拌せず、沈殿している部分のみを取り出し、プラモの箱の裏側に取り出し、うすめ液で溶かしながら塗り重ねる。おまけにデカールを使わず、マーキングや数字まで手書きなのだ。
これは、ほとんど匠の職人芸、という感じである。
筆塗りのみでの作業として究極かもしれないが、個人的な「(自分では作らず)見る人」の視点からすれば、エアブラシの達人による作例にはやはり劣るし。
田中克自流飛行機模型筆塗り塗装術 田中 克自 大日本絵画 2011-01 |
テレビ放送版が隔靴掻痒だったので、ブルーレイ版を見てみた。
確かに、銃撃を受けた人の「人体欠損(損壊)描写」はテレビ版では全くカットされていたことがわかる。見てみると、それほど胸糞悪くなるほどのことはない。Youtubeの動画とか、戦争の資料写真とかの方が(実際にあったことだとわかっている分)よほど気味が悪い。斬られた首が刺さっているとこなんかは結構エグいはずなのに…。
テレビ版では、そういう部分をカットして時間が足りなくなった分、カットされたシーンをほぼ全て打ち込んでいるのが分かったのが、興味深いところかも。
ちなみに、「エクステンデット版」では、そういうエグいカットが省かれているらしいのだが、一体なぜ??
(こう言う混沌とした状況なら)当然あってしかるべきだと思われた、レイプシーンなんかは一切入って(描かれて)いなかった。これも謎の一つ。
ランボー 最後の戦場 (期間限定価格版) [Blu-ray] ポニーキャニオン 2012-10-03 |