思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

A-10 サンダーボルト2』
本当は雑誌「スケールアヴィエーション」のサンダーボルト特集号を買いたかったのだが、今更買えないので、代わりに買ったもの(普通は逆だろうけど)。
美麗な写真から、武装の開発、ミッションの説明まで、サンダーボルトに関する全てが分かる。ただし、配備基地リストなんかは、ミリオタ以外には何もわからない(意味のない)ものかも。
イメージ的には、フィクションとノンフィクションが逆だが、『パト2』のヘルハウンドを航空機にしたような感じ。まさにウェポン・キャリアー。重武装を空から攻撃するために作られた飛行機、という感じだ。ヘリよりも早く、戦闘機よりも低速で目標に武器を叩き込める。さらにどちらよりも搭載量は多いのだ。
固定(メイン)武装の30ミリガトリング砲は、砲身だけで3メートル近く、弾倉まで含めたシステム全体は6メートルにも及ぶ。また、懸架できる兵装は6500キロ!2トントラック3台分の武器を空に飛ばせるのだ。
昔、プラモを買って作りかけたこともあるのだが、エンジンが水平ではなく、やや下向きについているのは初めて気がついた(^_^;)
初めてといえば、いわゆるC型がサンダーボルト2で、A型が1だと思っていたが、これは高機動型ザク(06R)がザク2で、F型がザクだと思っていたのと同じ勘違いだった。ただのさんダーボルトは、第二次大戦中の名機である。

湾岸戦争におけるA/OA−10Aの活躍は(略)機体構造や搭載電子機器が簡易なことから稼働率が高く、短時間のうちに繰り返し出撃が可能なこと、損傷を受けた場合も修理が容易であること、異常なまでに撃たれ強く、機体と乗員の生還率が高いこと、高度な電子装備を持たないにもかかわらず兵装の命中率が高く、破壊力も大きかったことなどが、実戦で使ってみて改めて判ったのである。」

ヴェトナム戦争がなければ(略)A−10は存在してもいないだろう。」
アメリカ空軍が攻撃機(A記号)を要求したのは初めてのことだ。」
「もし湾岸戦争が起きなかったならば、A−10は1990年代には(略)全機が退役していた可能性も充分にある。」


A-10サンダ-ボルト2 (世界の名機シリーズ)A-10サンダ-ボルト2 (世界の名機シリーズ)

イカロス出版 2011-10-28



時宗(1)』
☆☆☆★

始まると、時宗は影も形もなく、北条時頼が執権職を兄から引き継ぐところから始まる。
これが本作の主人公・時宗の父親である。まるで司馬遼太郎の『国盗り物語』か『世に棲む日々』のような(壮大な?)悠長さである。
とはいえ、北条氏同士の権力争い、将軍との対立などの政治(権謀術数)が滅法面白い。これが書きたかったから、ここから始めたのかな?
本書の最後にようやく後に時宗となる赤ん坊が生まれる。

ちなみに、文章的にはぎこちない高橋克彦だが、時代小説だとそんなに気にならない。

時宗 巻の壱 乱星 (講談社文庫)時宗 巻の壱 乱星 (講談社文庫)
高橋 克彦

講談社 2003-04-07