見終わってみると、「だから?」という感じもしないでもないが…。
バレエ「白鳥の湖」の主役を狙う一人であるナタリー・ポートマンが、幻覚に悩みながらも主役の座を射止めるが、最後まで幻覚との戦いは終わらない…という話か。
結局、ライバルであるミラ・クニスがナタリー・ポートマンに絡んだのは、どこまで幻覚なのかがよくわからないのだが、まあ全てひっくるめてホラー(幻想)映画的なスタイル、ということか。
これだと、ミラ・クニスは完全な濡れ衣やん?!というそんな役かも。殺され損というか、そもそも実在したの?という気すらしてくる。注意深く見れば、もしかすると某映画みたいに、実在しないように演出されていたのかも…。
上半身は演技やレッスンでなんとかなったのかもしれないが、さすがに爪先立ちは無理だったのか、画角は上半身のみなど、苦心の跡がうかがえる。画面的には、手持ちの多様とか、(テレビ放送の録画で見たせいもあるのかもしれないが)画面が荒いなど、とても最近の映画とは思えない。
とはいえ、それがCGを使った幻覚シーンとのマッチングがうまくいった要因にもなっている。
しかしながら、クライマックスの羽が生えるシーンもそれほど効果的とも思えないし、鏡の映像が遅れてくるよ、的なカットも、CGなしではありえない位置にカメラがあるレイアウトのため、CGであることがすぐに分かるのもどうかと思った。
最終的には、自分の命と引き換えに最高の演技を手に入れた、ということで、結局は昔からある、悪魔に魂を売った芸術家の話、というオチ。
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