思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ある用務員

☆☆☆★

日本映画チャンネルの「月イチ衝撃作」枠だが、他のラインナップに比べたら全然大したことない。
平凡な高校生だが、家がヤクザで、暴力満載の展開、というのは低予算映画ではよくある展開で、そこまで衝撃的な内容ではない。『片腕マシンガール』とか、または北村龍平監督作品みたいな内容。特に『バーサス』とか。
主人公の女子高生のボーイフレンドが、この手の作品の定番なら、ひ弱ですぐ殺される役柄なのだが、実は白帯とはいえ空手をやっていて、そこそこ活躍する、というのが意外。でも、結局、刺客のうち、一人も倒せないけど。
終盤に街中で普通に生活している暗殺者を9人揃えて高校に送り込む。そのうちのギャル2人が、後にスピンオフとして『ベイビーわるきゅーれ』として作れるようだ。本作で死んでるけど。前日譚ということかな。
アクションは、それこそ北村龍平っぽいが、キレのあるっぽいアクションは、ちょくちょくコマを抜いている感じがした。まあ、これも演出の範囲なのだが、ガチのアクション映画マニアからすると、ちょっと残念なポイントではある。
面白かったのが、ヤクザ映画としての側面。ちょっとカリカチュアされすぎではあるが、いつもこの手の映画を見ていて不満に思うポイントとして、余計なセリフやタメを作ったがために逆襲されたり、仕留め損なう、というのがなかったところ。間を置かずにすぐ射殺するのだ。
特に、黒幕として登場する本田は、『シン・ゴジラ』で泉を演じた松尾さんや、八嶋智人みたいな飄々とした演技で、特にヤクザの前に連れてこられたら即ガン・カタばりに銃を速射したシーンは本作の真骨頂! 私的にはこのへんの抜けたノリが最高に良い塩梅だったのだが、逆にこれがダメ、という人がいる(ジャガモンド斎藤さんとか)のも理解できなくはない。