思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

スカイライン 逆襲

☆☆★

低予算ながらそれを感じさせないクオリティのCGと、豪快なオチの佳作であった第1作。
そのラストから、まさかのバトル要素を全面に押し出した続編『奪還』。
どちらにも魅力があっただけち、『3』となる本作にも期待がかかったのだが、期待はずれ(^^;)
凡百の続編、なかんずくパート3以降にありがちな、予算の減った感じと、特にひねりも驚きもないストーリーという、予算もアイデアもヂフチープであることが隠せない、惜しい作品名
まず予算面。エイリアンのスーツの質感がウレタンのスーツっぽさがバレバレ。真昼だけでなく、暗いシーンでもバレるんだから、相当なもの。また、地球のロンドンのシーンは頑張っていたが、肝腎の主人公たちの宇宙船や敵の母星のほうのルック(照明および撮影)は、予算のなさが如実に出ていて、いわゆるアサイラム的な、アメリカのテレビ映画かと疑うほど。
アクションも、本作品では主人公が、『スターウォーズ』のフォース電撃のような技を使うようになったので、『奪還』にあったカンフー映画としてのキレがなくなった。要約クライマックスで、軍の将兵と医療技師と、シラット的なカンフーバトルがあるが、まるで取ってつけたような唐突さ(^^;)
本作の展開は卵のようなドライブコアを探しに行くもの。最後に裏切り者が卵を盗むとか、展開が『エイリアン2』! クライマックスでは、パラーローダーの代わりに(本作の)エイリアンのパワードスーツがエアロックから登場し、遂には敵を宇宙空間ならぬワープ用の異空間に排除する。まんまやね。
本筋はチープなのに、地球に残った方は、ガンも『奪還』で活躍した、浮浪者同然のシラット達人が大暴れし、画面(ルック)締まっていて、クオリティが高い、妙なバランスの作品。
あと、時計の歯車を組みあせた前衛芸術のような宇宙船が、その歯車の羽根を広げるようなギミックは格好良かった。
かように、見るべきところもあるが、敢えて見るほどには至らない、『奪還』以上の珍品かな。