思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ミッション15

☆☆☆

原題は『EVENT 15』。アメリカ陸軍内で、PTSDのカウンセリングを受けている、原因も階級も違う男女3人。たまたまカウンセリング後に同じエレベーターに乗り合わせたところ、激しい衝撃と共に、エレベーターが停止してしまう。外では何が起こっているのか?
低予算すなわち閉鎖環境限定映画というジャンルで、今回はエレベーターで来たか。まあ、『死刑台のエレベーター』とかもあるけど。
異常な状況なので、PTSDが再発してパニックになるのか? という意味でのサスペンスもある。案の定、ようやく連絡のあった緊急通話で、待機命令があったのに対して、ライン的なスマホから、ワシントンに爆撃があり、核の放射性物質の襲来という、タイム・サスペンスが加わる。
低予算ならではの工夫が見えるが、なんかアイデアありき、よりも予算ありきで捻り出した設定のような気もする。
事故の裏に何があるのかもなんとなく読めるので、そこまで意外な展開というわけでもないし、アラ(矛盾)も見えるので、考証派の理屈屋には向いていないが、何も考えずにツイスト(どんでん返し)ものの映画を観たい人には良いかも。

以下ネタバレ

タイトルだが、PTSD治療のための新薬の効果をはかる実験で、一つ一つのイベントを人為的に起こしてゆく。つまりは15のイベントが用意されている、というところから付けられている。つまり、被験者である3人には、これが実験であるとは知らされないし、ましてや1つひとつクリアしなければ次に進めない、というものでもない。完全に誤訳である。まあ、『15のイベント』では何のこっちゃ分からんのだけど……。こういう時こそ『死のエレベーター』とか『ザ・エレベーター 脱出』とかで良かったのでは?
先に書いた矛盾とは、主人公の女大尉だけが、スマートフォンをもっていて、外との連絡ができること。他の二人は持ってないんかい?! というのがまず1つ。
娘とのライン(ではないけど、ライン的なメッセージアプリ)で、ニュースを見ろ、とメッセージが来て、CNNだか何かのサイトを見ると、ワシントンが核爆弾(戦術核)を受けた、と動画がある。これ、ラインもニュース映像も、どちはも実験のためのフェイク?
エレベーター内を監視するため、内部を鏡張りになっていて、その外側に移動式のカメラがある。終盤にはガラスを割って、それが露わになるのだがらそのサイズ感から、エレベーターの上に出た時の箱と竪穴のサイズ感から、そんなスペースはなさそう。スパイカメラくらい小さいやつだったなら分かるけど。