思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ドラえもん 緑の巨人伝

☆★

これは少なくとも『ドラえもん』映画として最低レベル(いちアニメ映画としてなら普通)。
おはなしが『ナウシカ』『ラピュタ』『トトロ』『もののけ姫』のパクリで、植物王国の各種デザインが『スターウォーズ1』のパクリなのは、まあ、映画版ではよくあるのでスルーしよう。
のび太の等身がやたら高く、大山のぶ代版なんかと比べると、小学校低学年と中学生くらい違うのも、まあいいとしよう。
許せないのが、のび太のキャラクター(性格)改変だ。これはのび太じゃないよ! いくらなんでも繊細というか、情緒的すぎる。(見たことないんだけど)『遠い海からきたクー』とか、オリジナル作品ならいいが、これを『ドラえもん』ののび太、と言われると、受け入れられない。
エイリアン植物をドラえもんの道具で擬人化というか、知性化したキー坊が、終始効果音ではなくセリフとして「キーキー」言ってるのもムカムカしてくるし(これは私だけだろうなぁ)。
途中はすっ飛ばしてクライマックス、キー坊が(『スターウォーズ』そっくりの)植物王国議会で、議員たちを説得する際に「地球人たちも植物の大切さを再認識して、取り組み始めてます」みたいなことを言うが、そもそものび太たち子供5人しか登場してないし、地球のほうはドラえもんの道具の事故によって文字通り「地球が静止」していて、地球人は何もしていないどころか、何も知らないのだ(ラストに、のび太たちが帰宅した際の両親との会話で明らか)。
脚本以前に、物語構成として全然ダメ。
東映スタッフ(またはエライ人)が『もののけ姫』をやりたかった、というのが先にあったんだろうなぁ。