思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ガーディアンオブザギャラクシー』

『ガーディアンオブザギャラクシー』☆☆☆★

宇多丸師匠大絶賛だったし、そこそこ期待したのに、残念ポイントが多かった。
ノリと勢いだけで全編突っ走る映画だと思っていたのに、まず、子供の母親の臨終で始まる『怪物はささやく』みたいな導入、空気読めてないコミックのコマがシャッフルされるマーベルの社名ロゴなど、2つの大きな減点があり、いきなり成長したらしい主人公が80年代のロックか何かをかけながら宝探ししたり、歌もの嫌いの私には期待値最悪に。
このカセットテープ関連のエピソードは、映画版で追加されたらしいけど、私的にはこれらがないほうが絶対に良かった。『スターウォーズ』的な話なのに、これが入ることで、地球の話にしか感じられないのだ。もちろん、主人公が地球から拉致された、という設定だからだが……。要するに、好き派が絶賛する演出ポイントが、反発する阻害要因にしかならなかったのだ。
この話、インフィニティストーン以外はまんま『スターウォーズ』のハン・ソロやん。アライグマの相棒の植物人間グルートの役回りはチューバッカだし。
デザイン的には、軍用の星形戦闘機や、敵の宇宙船は前衛芸術みたいなスリット入りの直方体なのに、それが回転することで飛行機っぽく見えるのが素晴らしい。
特に軍の戦闘機が結合してスクラムを組んで、ネット状に敵艦を文字通り包み込む。それが、一機だけ破壊されると、次々に誘爆して行く、という極めてゲーム的な演出(映画としてはドッチラケだが)。
2回目に観て気がついたが、何故主人公が拉致されたのか? 盗賊団のボスこそが父親なのでは?
グルートは、同じ植物人間ということもあって、『指輪物語』のエントそっくり。
グルートと、アライグマのロケットは、ある意味で本作の主人公、あるいはアイコン、アイドル的な存在。この二人は、誰もが好きにならざるを得ないだろう。
逆に、サノスの娘のほうは、緑に塗った黒人女以外の何者にも見えなかった。
ハン・ソロ』がこんな話なら良かったのに(観てないけど)。