思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『おろち』☆☆☆★

楳図かずおの原作は未読。なんとなくダメダメ映画な予感だったのだが、鶴田法男、高橋洋一というホラー映画の専門家がやっているだけあってか、意外と面白かった。
何より衝撃だったのが、「これ、ジョジョの元ネタやん?!」ということ。4部の虹村家の父親の件や、8部のものに非常に近い。荒木先生が楳図かずおファンでもあるので、見ていないわけがないだろう。
ただし、構成にはいくつも疑問が残るのだが、それが原作自体の不備なのか、映画脚本(脚色)の問題なのかはよくわからない。
川井さんの音楽は、劇中歌も楽しそうに作曲されている感じがするのと、劇伴はホラーというより、悲劇的な運命に翻弄される登場人物たちのエモーションを表現したメロディアスな曲が印象的。

以下ネタバレ

まず、どんでん返しをウリにしている(少なくともDVDでは)最大の要因である、大女優の実子はどちらか? という問題。どこまで嘘をついているのかがわからないので判断できないが、実子でなく、整形もしていないのにクリソツ(一人二役だから当然なのだが)というのはちょっと無理がある。
あとは、主人公であるおろちの設定。『スカイハイ』の釈由美子を連想するのだが、おろちの方には実体があって、さらには一部が生まれ変わったのか、身体ごと分離したのか、流しの親子に拾われたりしている。全くもってよくわからん。

2008年 日本