思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

馬賊芸者』☆☆☆☆

志村喬が出ている、というくらいの動機で観た。『七人の侍』『ゴジラ』と同じ、伝説の昭和29年(勝手に命名)の作品なのか。志村喬は、『七人の侍』では丸坊主、『ゴジラ』では短めの七三、そして本作ではバーコード風と、同年に作った(同一人物)とは思えないヘアスタイル変化っぷり。
それはともかく、本作は、芸者を主人公に、日常描写と、芸者の恋と人生をテーマに描いている。歌舞伎役者に恋したから、人気投票で金を集めて票を買う(投票してもらう?)とか、駆け落ちとか、色んな出来事が。
映像もリマスターかと思うほど綺麗で(一部にはノイズも残っていたが)、普通に楽しめた。
志村喬の出番はそんなに多くなかった(うまく回せば1日で撮影終了するレベル?)が、序盤、中盤、ラストと、重要な役所に登場する。
昔の日本映画では、美人女優で観るのが私的な楽しみだが、本作では主人公の妹分で、終盤に重要な役割を担う梅丸がめちゃくちゃ可愛かった。南野陽子三田寛子を合わせたような感じで、白井玲子という女優さん。主演の今日マチ子は、御局様という立ち位置ではないが、顔枯らしてそんな感じ(^_^;) もうちょっと若い人でも良かったとは思うが、気の強い性格は十分に演じられていた。
ちなみに、馬賊芸者というのは、博多芸者界の礎を作った人が満洲馬賊出身だからだそう。要は「博多芸者」という意味。

1954年 日本