☆☆☆★
ケーブルテレビの紹介文によると、主演の石原裕次郎のために（たぶんプロデューサーが懇願して？）、司馬遼太郎が書き下ろした脚本だという。そう言われれば、（読んだとしても全く覚えてないが）『城を取る話』という短編があったような。
私的には、石原裕次郎って、とこが格好いいのか良くわからない。中村錦之助に近い感じというのか。なので、本作でも、そのへんにいるような中年のおっさんが格好つけてるようにしかみえな(´Д｀) ま、それは個人的な好みとして。
本作は、開き直った、黒澤明映画のパクリ。『七人の侍』プラス『用心棒』だ。主人公は三船敏郎プラス志村喬（シチュエーションによって変わる）。菊千代まんまの、『十三人の刺客』の山賊みたいなキャラも出てくる。音楽だって、黛氏だが、これまた黒澤明作品そっくり。とどめというか、美肉というか、千秋実が相棒役として、いい仕事をしている。役柄はほぼおんなじ(^^;)
内容は、石原裕次郎と千秋実の二人で城を取る、というもの。初期の山田正紀が得意とした素人ミッション•インポッシブルもの。途中で、先述の山賊（実は伊賀ものの抜け忍）、放浪の女（中村玉緒で、これまた若いけど、ただのおたふくにしか見えない）、大阪の白粉売り（香具師）なんかが合理的してチームを組むあたりも山田正紀に加えて、ゲームっぽい展開だ。
それぞれの特技を活かして、城内を撹乱するあたりまでは燃える展開なのだが、肝心の決行プランが、割と石原裕次郎の力押しの比重が強く、殺陣に迫力も美しさもないので、全然乗れなかった。
香具師が門の前で白粉の口上を述べているのを見とめて、招じられて、化粧っ気のなかった姫に化粧をしたシーンの美しさにはちょっと感動した。
