思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ベイビー・わるきゅーれ2ベイビー

☆☆☆☆

こんなに期待して映画館に行った続編は『ガメラ3』以来かも。
冒頭、あの二人ではなく、濱田岳・・・じゃなかったジード濱田が延々と出てくるので嫌な予感がしたのだが、アヴァン・タイトルが終わったらあの二人が出てきたので一安心(^_^;)
ダラダラシーンが続くので、これまた心配したのだが、銀行に振り込みに行ったシーンで強盗が登場し、ようやく二人の、というより伊澤さんのアクションが見られると安心した。
本作は、結論からいうと、アクションは期待したほどではなかった。ある意味、前作のほうがソリッドで凄い、と言える。続編にあるのは、高石あかりとのコンビアクションを見せるようにしたぶん、伊澤さんのアクションを下げた、という感じ。商店街のイベント用のぬいぐるみに入ったまま本気のバトルをするのは面白かったが。
普通の続編は、舞台のスケール、敵の数、アクションの難易度などを上げるものだが、本作は要素を絞ったほうの、珍しいタイプの続編。『仁義なき戦い 広島死闘編』や、『ゴジラの逆襲』など、急いで作った続編に多く見られる。あとはビデオスルー(オリジナルビデオ)で出た続編とか。
本作でレベルアップしていたのは、なんとコメディ演出! ヒロイン二人のダラダラした日常から生まれるWボケも笑みがこぼれるし、殺し屋組織の、現代の最先端のお笑い事情を反映したスピード感あるコント的な掛け合い、どちらも笑える、というのが凄い。他の人の笑い声を聞きながら観られる、という意味でも劇場で観て良かった。
ヒロインたちの背後で敵がなにやらやってるけど気付いてないなぁ、と思わせてその後、瞬時に逆襲、というような緊張と緩和、緩急の付け方、時間的なボケとツッコミ、みたいな時間差演出が実に素晴らしい! その多くが1カットだったり、数カットだったりすうなど、脚本・撮影段階から想定していないとできない編集なのだ。
高石さんが掛け将棋をする時のマジな表情が素晴らしかった。さすが女優! そのあとで伊澤さんがYouTubeとかわざわざセリフでフリの回収をするが、実はその前に、部屋のソファーの後ろに、スーパファミコンの将棋ソフトがあるのが映っているので、高石さんは将棋を全くしらないわけではない、ということはちゃんとえがれているんだよね。
伊澤さんのファンとして応援の意味も込めて劇場に定価で観に行って、20年以上ぶりにパンフまで買ったのだ。

クライマックスのアクションは、前作ほどの凄みはなかったのだが、敵のほうが勝ったら、突然謎のバリアーというか、透明の壁にぶつかる、という奇妙な展開に。コメディ要素も多いとはいえ、アニメでもない真面目なアクション映画でこういう展開は初めて観たかも。『デッドプール』か!? と思ったくらい。