思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

さまよえる魂たち

☆☆☆

ロード・オブ・ザ・リング』のスタッフによるが、監督はロバート・ゼメキスによる幽霊コメディ。製作にピーターやフラン、死神のデザインに映画『指輪物語』の人。そう言われると、死神はパート1の8人の闇の王たちとよく似ている。
いかにも80年代やなぁーというズーム/トラックアップ(かめらが勢いよく顔に寄る)や、『マスク』と大差ないチープなCCが懐かしい。
内容は、『ホーンテッド・マンション』や『永遠に美しく』なんかを連想する(どちらも未見だけど)、館ホラー……かと思わせる導入だが、物語の大部分は町中で、ハードボイルド探偵もの的なドタバタ。
「死神」は基本CGで、他の幽霊は青白く透けるという、これまた懐かしい表現(合成)方法で表現される。
主役はマイケル・J・フォックス(これが観ようと思った決め手)。彼はひとり心霊バスターとして、心霊現象を解決するするのを仕事にしているが、実は半分インチキ。仲間の幽霊にポルターガイストを起こさせていたのだ。詐欺ではあるが、幽霊が見えるのは、立派な超能力ではある。
過去に妻を事故で亡くしているが、美人の未亡人(夫は幽霊として妻につきまとっている)についた死神を倒すために奮闘する。
ホラー風味のある、テンポが良くて楽しいコメディである。
死体が蘇った幽霊だから、顎や腹が骨だけだったりするヤツもいるし、死神が連続殺人鬼なので、簡単に人が死ぬが、PG12にするほどとは思えなかった。

以下ネタバレ

冒頭の屋敷の事件とニュースにあった連続殺人鬼の過去の事件が繋がっていたり、屋敷に住んでいる老女と娘の悪い方が逆にだったり、主人公の妻の事故死にも死神が絡んでいたりと、脚本はうまくできている。
終盤には、死神と戦うために主人公が薬で心拍数を落として冷凍庫に入って仮死状態になったり、クライマックスには、死神にらやられるが、幽霊となって、他の幽霊仲間と共に死神を倒すとか、熱い展開。死神を倒した後に、生き返るのは、娯楽作としてハッピーエンドにするためには、ご都合主義として、しょうがないのかなぁ……。