思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

柳生武芸帖 片目の忍者


☆☆☆

これ、完全に近代戦争ものをやりたかったよね? それも、『二百三高地』的な拠点攻略・消耗線ものを。
クライマックスまではちょっとメインプロットのドライブ感がなくて退屈なのだが、クライマックスだけは見どころといえるかも。
時代劇のくせに、岬にある砦を攻略するために、松方弘樹はスパイ映画よろしく絶壁を登るし、片方は、「砲兵」は砲撃するし、手榴弾的なものを投げ、しまいには(ネタバレだけどいいよね(^^;))爆弾を抱えて敵陣に突撃する。
集めた精鋭が、柳生武芸帖の、名簿に並んでいる名前と同じ位置に書いてあることで、証拠とするのは、勘合符や、『里見八犬伝』なんかとはまた違ったアイデア
個人的な好みとして、柳生宗矩(十兵衛だっけ?)の顔が怖すぎて、とても主役に見えないんだよなぁ(´Д`)
ちなみに、本作の柳生隊は、忍者、引いては近代兵部隊として描かれるのだが、「片目の忍者」が敵として出てくる訳ではない。敵となるのは、徳川家への謀反または他藩へ向けた軍備を蓄える藩主。