思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

そして父になる

☆☆☆

宇多丸師匠の絶賛の噂は聴いていたのだが、いかんせん是枝監督作品は、食指が伸びないんだよなぁ。『海街ダイアリー』は好きだけど、『真実』はダメだったし。
ネタバレなしで感想をひと言で言えば、『演出は良いけど、意外な展開は全くない』という感じ。
キャストも、この手の邦画でよく見る、「またリリー・フランキー」「尾野真知子か」(´Д`) という感じ。どちらもソツなく演じているだけにタチが悪い(私の中で)。これが、演技がヘタだったり、役に合ってなかったらボロクソに貶せるのだが(^^;)
中立なスタンスで貶すなら、子供の取り違えという、『キン肉マン』からの、深刻な題材を、父親の自覚というテーマのための道具としてしか扱っていないこと。嬰児の取り違えをもってこなくても、描けたテーマだと思うのだが。原作があるらしいので、原作の映画化ありきで、是枝監督に依頼したのかもしれないけど。

以下ネタバレ

プロットとしては、取り違えた子供を、遺伝子通りの組み合わせにしてみるが、6歳となると、簡単には行かないので、元の鞘に収まる。「生みの親より育ての親」という、それだけの話なのだ。途中、福山サイドが、金に物言わせて、二人とも自分のものにしよう、という意外な展開はあるが。
これは、非道な性格として演出されているが、けっこう有効な策かもしれない。もちろん、相手が承知すれば、だけど。