思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

レオン


☆☆★

何度も地上波だのケーブルテレビでやってるし、いわゆる「みんな大好き」系なので、天邪鬼なわたしとしてはどうしても食指が伸びなかった。
ながら観しようと思って吹き替え版にしたのが失敗だったかも。
職人気質の暗殺者と、家族を殺されて少女の話は、なんかジブリっぽいというか、日本アニメの、好きじゃないところが詰まっている。本作が日本で(だけ?)大ヒットしたのは、そんなジブリに狂う国民性があるのかもしれない。
レオンも、狙っているのか私だけなのかわからないが、自閉症っぽいし(牛乳ばかり飲んでいるのも、幼児性を表してるよね)。対するマチルダも、タバコをつけたり(実は吸ってるカットはなかったのでは?)、人生を拗ねているのはいいとして、レオンを性的に誘惑するとか、レストランでキチガイみたいに笑い出すとか、どうにも好きになれない。ポニョがもうちょっと成長したらこんな感じになるのかも。
殺し屋が主人公ということで、必然的に警察は敵にはなるのだが、麻薬犯人を捕らえるためなら、周囲の犠牲も躊躇わない、悪徳というか、乱暴というか、エキセントリックな麻薬捜査官にしているのがポイント。ちょっと『レザボア・ドッグス』のスティーブ・ブシェミを連想した。どっちが先か(影響を受けているのか)分からないが、演出やルック、そして世界観もタランティーノと共通する感じ。『パルプ・フィクション』とかね。
そうそう、はぐれ者に惚れる市井の女、というのはヤクザ/任侠映画のフォーマットやな。