思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

吾輩は猫である!

☆☆★

タイトルから内容が全く想像できない。日本の低予算ノワール
借金のカタに、オッドアイの猫を取ってきたヤクザが、拘置所から出てきた地下格闘技の女戦士と、猫を追って来た飼い主と、誰か分からない男(津田寛治)たちとの、三つ巴のようで、猫を巡ってのヤクザVSそれ以外の対立、というアクション。
とにかく主演の女のセリフが一言もない? というくらい無口なのがよく分からん。撮影時に喉をやられていたための苦肉の策??
あとは、ストーリーよりも印象に残るのが、ヤクザのアジトのある舞台が、『笑ってはいけない警察』ほか、いくつかの映画でもロケ地(今回初めて調べたら、私立の大学だか専門学校だからしい)になっているところだったこと。特に校舎裏に行くと、落とし穴があるんじゃないかもヒヤヒヤした(^^;)
地下格闘技を主催してるくらいだから、主人公は記憶喪失ながら、何回戦も戦いながら記憶を取り戻すのかと期待したら、全然違った。
レザボア・ドッグス』的というか、モーガン・フリーマンが黒幕役をやってたクライム・サスペンス『ヴァンキッシュ』みたいな感じ。
主人公の女の子は、格闘家という設定にしては、可愛すぎるので、結局最後までアクションシーンはないのかと思っていたら、終盤にはちょっとあった。ただ、香港映画とまでは望ましいまでも、坂本祐悟作品とかを見ていると、やっぱり物足りない。一度、空手の構えを取る場面があって、そこは本物感が出ていたけど。
後から調べて知ったが、彼女があの『ハイキック・ガール』(未見だけど、『タマフル』で話題に出てたのは知ってた)の武田梨奈だったのね。
低予算として、ネタバレ欄で書く要素も含めて、色々やろうとして、結局中途半端になってしまった感じ。

以下ネタバレ

本作の編集というか、構成として、視点人物を4人くらい変えていることが挙げられる。『メメント』や『パルプ・フィクション』とまでは言わないが、それが効果を挙げていないのが問題。ちょっと時間を戻して、別のアングルからさっきと同じシーンを見せられるだけ。それによって明らかになる事実というか情報も、謎というにも値しない、知らなくても充分想像で補えることだけ。
せめて、先に挙げた作品のように、武田梨奈のカッコいいアクションを見せることに全力をそそぐべきだったのに。