思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

風魔の小次郎(3)

車田正美
☆☆☆☆
集英社文庫

武蔵との戦いのあと、各他の忍びなど足元にも及ばない、戦士殺戮集団、カオスが登場する。後に『キン肉マン』なとでもお馴染みのインフレ展開だ。
マンガ夜話』的には、同じのとの繰り返しと言われる展開だが、私的には、カンフー映画で、一撃を食らっても、立ち上がって次の技を繰り出す、みたいな、エンドレスで見られる展開の感じだ。
改めて見ると、車田正美のキャラって、特に目の描き方は少女マンガだよなあ。
また、ショッキングな場面で白黒反転するというのも最近見ない表現で、時代を感じる。勢いを出すコマでは、ブラウン管テレビの砂嵐を縦にしたようなトーンを使うのは、独自かつ秀逸な表現だと思った。
聖剣を持つものたちの戦いだが、剣は本物だが、持ち主が正統な人物ではない、という展開は、週刊連載マンガならではのどんでん返しというか、時間稼ぎだが、効果的なヒキだと思う。